ネバダ州、カリフォルニア州の空軍州兵、空軍予備役軍団で構成したアメリカ空軍による2021年の森林火災支援活動が9月29日(水)、終了しました。アメリカ空軍は96日間にわたり、C-130Jハーキュリーズを使い、アメリカ農務省傘下の森林局、連邦消防機関を支援するた消火活動に従事しました。モジュラー・エアボーン・ファイヤー・ファイティング・システム(MAFFS)プログラムとして商用消防航空機を補完し、森林局や消防機関を緊急支援するするアメリカ空軍の仕組みに基づく活動で、C-130の機内にMAFFSプログラムに対応する機器を搭載し、消火活動にあたります。
2021年の活動は、過去10年でもっとも早い6月25日(金)に開始。49年間に渡るMAFFSプログラムで、1994年シーズンに次ぐ2番目に高い945回のフライト回数、難燃剤1,174万リットルを投下しました。さらに、MAFFSプログラム向けに確保されているC-130の8機を全て使用したのは、2012年以来9年ぶりのことでした。
C-130にMAFFSの機器搭載作業は、約2時間で終了します。C-130は、機体の左側後部から空挺部隊が降下しますが、消火活動ではそのドアを利用して高度約150フィートから遅延剤を投下します。投下する遅延材は、80〜85%の水、10〜15%の硫酸アンモニウム、ゼリー剤、赤色のカラーの「スラリー」と呼ばれています。赤色に染める理由は、投下した場所をパイロットが確認し、効果的な薬剤散布を目的としています。散布を終えて基地に戻った後、20分以内に遅延剤を補充し、再び飛ばすことができます。
なお、2021年シーズンは商用消防航空機で対応できるとの判断から、アメリカ軍の支援が終了しました。ただし、さらにMAFFSの支援が必要な場合、隊員たちと航空機は48時間以内に再び消火活動に従事できる体制が維持されます。