新明和工業は2021年10月5日(火)と10月7日(木)の2日間、固定翼型無人航空機「XU-S (Experimental Unmanned / Utility aircraft by ShinMaywa)」を用いた電波伝搬特性試験を佐渡空港で実施しました。長岡技術科学大学の要請を受けた試験飛行で、佐渡空港での試験飛行は2020年に続き2回目でした。
試験飛行は、佐渡空港を離陸して加茂湖上空を周回し、2020年と同じ飛行経路に加え、丘陵を越えた位置での周回飛行も新たに加わり、高度や丘陵など障害物の有無による電波伝搬の特性が変化するか測定されました。加茂湖上空から撮影した映像も提供されています。
新明和が製造した「XU-S」は、排気ガスを生じないリチウムイオンポリマー(LiPo)電池を動力源に、長時間滞空能力のある無人航空機で、広範囲かつ高度領域での観測飛行が可能です。今回の試験飛行は、障害物の影響から電波が途切れる場面が発生したものの、自律制御による安定した飛行を維持し、高低差のある領域・経路でも信頼性の高い飛行を続けました。
なお、今回の試験は、2020年10月と同じく長岡技術科学大学が総務省からの委託研究(SCOPE)の一環でした。2020年は、「XU-S」を長岡技術科学大学に貸与して試験を実施しましたが、今回は大学からの委託を受け、新明和がエンジニアリング・ビジネスの一環として「XU-S」の飛行を請け負う形になりました。
「XU-S」は発表されているものに限ると、2019年10月に新潟県新潟市西区での実験、2020年10月には佐渡空港で電波伝搬特性試験、2020年11月から12月にかけて兵庫県淡路市で広域空間の環境観測、2021年10月に佐渡空港で電波伝搬特性試験、2021年11に対馬空港での海洋ごみ空撮調査で飛行しています。