ゼロアヴィアとASL、ATR機に水素エンジン換装プロジェクト開始

ゼロアヴィアとASL、ATR機に水素エンジン換装プロジェクト開始

ニュース画像 1枚目:ゼロアヴィア イメージ
© ZeroAvia
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水素エンジンの開発を手がけるZeroAvia(ゼロアヴィア)は2021年11月9日(火)、ATR製のATR72型に搭載する水素エンジン開発について、ASLアヴィエーションとプロジェクトを展開する契約を締結しました。ASLはグループ企業のASLエアラインズ・アイルランドから退役したATR-72貨物機をゼロアヴィアに提供し、保有するATR72貨物機のうち、最大10機を水素エンジンへ換装する計画です。

ゼロアヴィアは提供されたATR-72を水素エンジン開発プログラムのデモンストレーション機として使用。すでに開発を進めている水素パワートレイン「ZA-2000」に換装する計画です。このパワートレインはすでに600キロワット(kW)を実現しており、ATRの40〜90席を搭載する航空機向けに2〜5メガワット(MW)にまで推進力を伸ばす計画です。

ゼロアヴィアは6人乗りの機体で飛行試験を実施済みです。現在は、19人乗りのドルニエに水素推進力を搭載する開発を進めています。同時進行で、アラスカ航空とDHC-8-400(Q400)型の水素動力開発、イギリス政府の支援で液体水素燃料の空港での整備なども手がけており、航空機に水素を利用する開発が一段と加速しそうです。

今回の契約を受け、ASLアヴィエーションは2026年以降、傘下の航空会社にゼロエミッションの水素電気を動力とした機体の運用開始をめざします。ASLは、持続可能性を推進しながら、地域コミュニティの接続性を維持するため、二酸化炭素排出の段階的な削減を実現する取り組みを進めています。その1つとして、ゼロアヴィアとの提携により、新たな推進力を採用した航空機の運航を目指しています。

なお、ASLアヴィエーションは10月にアメリカの水素エンジン開発企業ともATR72貨物機を活用した水素を動力源とするエンジン換装を契約しています。

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