大量輸送時代を迎える1970年代に活躍したロッキード L-1011 トライスターは1970年11月16日、初飛行を成功させました。日本では1974年に全日空(ANA)が導入し、1995年まで運航されました。いまでは珍しい3つのエンジンを備えたその独特のスタイルは印象的で、記憶されている方も多いのではないでしょうか?250機製造されたうち、現在は1機が現役です。
当時の航空輸送には、大量輸送に加えて大陸横断も可能な航続力が求められ、エンジン停止時の推力低下などの技術的な問題で3発機が開発されました。ライバル機としては、ダグラスが開発したDC-10型機が同じ3発ジェット機として有名です。DC-10型機の第2エンジンは、尾翼に刺さるようにまっすぐ取り付けられました。一方のトライスターの特徴は、尾翼にS字を描くような形状で取り付けられた点です。
ライバル機:マクドネル・ダグラス DC-10型
全日空 L-1011 トライスター 1974〜1995年
全日空では21機が導入されました。同社初めての国際線の東京・グアム線にも、このトライスターが使われました。
イースタン航空、トランス・ワールド航空、デルタ航空などで導入されましたが、受注は伸びず、250機が製造され、1984年に生産を終了しました。ロッキードが製造した最後の旅客機となりました。
2021年11月現在、このトライスターは1機のみ現役で運航されています。ノースロップ・グラマンの社有機「スターゲイザー」として、ペガサスXLロケットの打ち上げで活躍しています。