日本航空(JAL)の「みんなのJAL2020ジェット」3号機が2021年12月12日(日)、ラストフライトを迎えます。東京で57年ぶり2回目の開催となった東京2020オリンピックに合わせ、大会の機運を高め、参加する選手たちを応援する目的で運航された「みんなのJAL2020ジェット」。オリンピックが延期され、無観客試合での開催となる中、予定より1年遅く登場した3号機は、ゴールドメダルを想起させるJALとして初の金色の鶴丸塗装まで登場しました。その塗装に「ありがとう」を伝え、これまで運航されてきた「みんなのJALジェット」3機を振り返ります。
■みんなのJAL2020ジェット1号機
機種:ボーイング777-200型、機体記号「JA773J」運航期間:2019/4/8〜2021/2/21 (1年10カ月)
当初2020年7月24日に予定されていた東京2020オリンピック開幕日の500日前にあわせ、大会の気分を盛り上げる特別塗装機として登場しました。デザインは、全国の小学生の投票で選ばれた東京2020大会マスコット「ミライトワ」「ソメイティ」が胴体後部に、胴体中央部には「TOKYO 2020」と東京の街が描かれました。
当初は2020年10月末までの予定のところ、オリンピック開催延期を受けて2021年2月まで運航期間が延長されました。
■みんなのJAL2020ジェット2号機
機種:ボーイング767-300ER型、機体記号「JA601J」運航期間:2019/7/11〜2020/11/6 (約1年4カ月)
1号機に続き、大会の気分を盛り上げる2機目として3カ月後に登場した機体です。東京2020大会マスコットの「ミライトワ」と「ソメイティ」が描かれ、JALがサポートする東京2020大会の競技をプレーするイラストが施されています。左右のデザインが異なることもこの特別塗装機の特徴です。
当初の発表で2020年10月末まで就航、その計画通り2020年11月6日にラストフライトしました。
■みんなのJAL2020ジェット3号機
機種:エアバスA350-900型、機体記号「JA06XJ」運航期間:2021/7/20〜2021/12/12 (約5カ月)
東京2020大会が1年延期され、それにあわせ予定より1年遅れて就航した特別塗装機は、JALの歴史で初めて鶴丸が金色に塗装された機体でした。コロナ禍で社会の雰囲気が暗い中、キャッチコピー「がんばろう日本!」とあわせ、金色の鶴丸で選手たちの後押しと共に、明るい雰囲気をもたらしてくれました。胴体には計16選手が描かれており、中でもテニスの錦織選手は「モチベーション上がります。」とSNSに綴るなど、日本選手団の活躍につながりました。
3機の機体は、主に羽田発着の伊丹、新千歳、福岡、那覇線などで運航されました。1号機、2号機の就航時はコロナ禍を予期することもなく、3機が揃って飛行することを夢見ていた方も多いことでしょう。それでも、3号機の金色鶴丸の登場は日本選手団のメダルラッシュを後押ししたようでもあり、飛行機ファンだけでなく多くの人に明るさをもたらしてくれました。
夏のオリンピックで活躍した選手団の余韻をそのまま、2022年2〜3月に開催される北京オリンピック・パラリンピックでも日本の選手たちの活躍が期待されます。さらに、札幌市が2030年冬季大会の招致を計画。これらにあわせ、再び気持ちを明るくしてくれる特別塗装機たちの登場にも期待したいですね。