カンタス航空は2021年12月16日(木)、ナロウボディの更新機にエアバス製のA320neoファミリー、A220ファミリーを製造するエアバスとの優先交渉を決定しました。ボーイング737-800型と717型を更新する機材として、ボーイング、エアバス、エンブラエル、エンジン製造メーカーの選定を進めていました。オーストラリア国内線で使用する機材として、2024年度以降に導入を開始し、更新を進めます。カンタス航空は確定40機、オプション権94機、最大134機を購入する計画で、エアバスと条件面の交渉を進め、2022年度末までに手続きを完了する予定です。
カンタス航空は737-800を75機、717を20機、計95機を運航しています。このため、納期は10年超をかけて更新します。発注の詳細は、A321XLR型を20機、A220型を20機で、まず計40機分を2022年度末までに確定発注を契約します。さらに、94機のオプション権を付加します。
今回の契約は、ジェットスターがエアバスとA320neoファミリーを100機超購入する契約とは別個のものです。カンタス航空とジェットスターのカンタスグループとして見ると、A320、A220の両ファミリーは299機に登ります。
確定発注のうち、A321XLRの選定は、737-800型からおよそ15%多い乗客が搭乗できるため、メルボルン、シドニー、ブリスベンなど大都市間を結ぶ幹線に投入する計画です。さらに、A321XLRは長距離飛行も可能で、新たな都市間を結ぶ路線に投入できることもメリットとしてあげています。
A220は、A220-300型を中心に導入します。オーストラリア国内線とリージョナル路線で柔軟に投入できるだけでなく、主要都市間のオフピーク時の運航、地域間を結ぶ主要路線で運航し、運航頻度を高める計画です。発注では、座席数の少ないA220-100型のオプション権を加え、柔軟性の高い運航体制を構築できる発注内容とする方針です。
選定した機材は、全てプラット・アンド・ホイットニー製のGTFエンジンを搭載します。新型エンジンの搭載により、現在より15〜20%の燃料節約の実現が見込まれており、温暖化ガス排出削減に取り組みます。
カンタス航空は、A321XLRとA220の組み合わせにより、座席数、航続距離、経済性を考慮しながら、それぞれの機材に適切な路線へ柔軟に配置できる保有機になるとコメントしています。さらに、今後は客室内の仕様を決定し、随時、その内容を発表する計画です。