統合幕僚監部は2021年12月19日(日)8時ごろから21時ごろにかけ、中国海軍のクズネツォフ級空母「遼寧」の艦載戦闘機と艦載ヘリの発着艦を確認したと発表しました。中国海軍の活動領域が広がっています。空母「遼寧」、レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート1隻、フユ級高速戦闘支援艦1隻の計4隻の中国海軍の艦艇は12月14日(火)から12月15日(水)に東シナ海で確認、その後、沖縄本島と宮古島との間の海域を南下していました。
中国海軍の艦艇4隻は12月16日(木)、沖縄本島と宮古島との間の海域を南下し、太平洋へ向けて航行、その間に艦載ヘリの発着艦が確認されています。こうした行動に加え、12月19日(日)は、「遼寧」搭載のJ-15戦闘機が艦首のスキージャンプから発進。このほか、「遼寧」に搭載するヘリコプターではZ-9、Z-18の飛行が確認されています。場所は北大東島の東で、北緯25度の北、東経135度の西付近でした。
この行動は、海上自衛隊第1護衛隊所属「いずも」が情報収集・警戒監視を実施しています。さらに艦載戦闘機の発着艦には、空自の戦闘機が緊急発進し、対応しています。
なお、「遼寧」は36機を搭載可能とされ、今回確認されているJ-15戦闘機は24機を搭載。また、Z-18J(直-18J)早期警戒ヘリコプター4機と、Z-18F(直-18F)対潜ヘリコプター6機、Z-9C(直-9C)救難ヘリコプター2機を搭載していると過去に伝えられています。このうち、J-15戦闘機は、Su-27シリーズを中国が独自に発展させた艦載機で、ウクライナから入手した試作機T-10Kを参考に開発されました。