世界一高いビルとして知られる「ブルジュ・ハリファ」の尖塔に立つ客室乗務員(CA)の映像をエミレーツ航空が再び撮影、公開しました。今回は世界最大の旅客機、エアバスA380型を飛行させ、スケールアップしました。「ブルジュ・ハリファ」の尖塔には、2021年8月の撮影時と同じCAが登頂し、その周りをCAが訪問メッセージを掲げたドバイ国際博覧会(ドバイ万博、エキスポ2020)特別塗装機が飛行する珍しい光景でした。
新たな映像は、エミレーツ航空の旗艦機A380でドバイ、そして世界最大のショー「エキスポ2020」を訪れてほしいと呼びかけるメッセージです。映像は、「ブルジュ・ハリファ」の尖塔で撮影したことが分かるように、低空飛行するA380を見送るCAの様子が撮られています。
前回の2021年8月の撮影時は、合成やCGなどではなく、実際にブルジュ・ハリファの最高部の地上828メートルの先に立っていることが分かるようワンカット撮影でした。今回は航空管制、航空交通など難しい問題をクリアしながら、A380を低速かつ低空でブルジュ・ハリファの周り800メートルほどの場所を周回飛行させ、印象的な映像が収められました。
撮影と低空飛行は2021年10月13日(水)と10月14日(木)に実施され、リスク軽減策としてドバイ国際空港のピーク時間帯を外して実施されました。実施前には、パイロット、運用チーム、航空管制官、ヘリコプターパイロット、ドローンオペレーター、撮影チーム、UAEの航空当局などが連携し、飛行計画の綿密な計画、リスク評価、風や気象条件の測定などを含め検証されました。
飛行前にパイロットはA380フライトシミュレーターを使い、視覚的に確認できる基準点を把握しながら、複数回の訓練飛行を実施しました。シミュレーター利用は、低空飛行時に撮影関係者がコミュニケーションを取りながら、安全性を確保する方法の確認にも役立ちました。
映像に収められたA380は、高度およそ820メートルを低空飛行しています。速度は時速およそ270キロメートル(km)で、巡航時の880キロと比べると非常に遅いスピードで、その高い操縦技量も求められました。A380はブルジュ・ハリファを計11回周回し、公開映像に適したシーンを撮影しました。この撮影時の裏側もYouTubeで公開されています。