JAL、第3四半期に資金流出のキャッシュバーン解消 感染拡大も収束後は力強い回復か

JAL、第3四半期に資金流出のキャッシュバーン解消 感染拡大も収束後は力強い回復か

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日本航空(JAL)グループは2022年2月2日(水)、2022年3月期第3四半期(2021年4月〜12月)決算を発表、資金流出するキャッシュバーンの解消、支払利息・減価償却費を含む税引前利益(EBITDA)は118億円の黒字を計上しました。JALは2021年11月に発表した計画通り、資金流出を解消し、儲けを確保できるキャッシュインの状態に変わり、コロナ禍の中でも少し明るい兆しが見えています。足元ではオミクロン株の影響から旅客需要が低迷する恐れがあるものの収束後の見通し、国際貨物の増収、コスト削減をさらに進めることで、業績予想は変えていません。

キャッシュバーン解消の原動力の1つは、国内線の旅客需要の回復です。コロナ禍の影響を受けた2020年4月以降初めて、四半期の利用率は2021年10月〜12月期に60%台を記録。現在、オミクロン株の影響で需要は弱含みに推移していますが、これまでのGo Toキャンペーン時、2021年の緊急事態宣言明けには回復基調にあり、今回の感染拡大の収束後には力強い回復が見込めるとし、現在はコスト削減に取り組みます。

国際線貨物需要も2019年度比で125%と増加基調で推移し、海上から航空に国際貨物輸送を切り替える動きが継続する予想です。特に、自動車や半導体関連部品などの北米向け輸送が好調に推移しています。

コスト削減は、通期の実質固定費を2021年5月には5,000億円と予想、2021年11月には4,750億円と削減しましたが、今回は約4,700億円にまで削減できる見通しを示しています。固定費の削減は、委託業務の内製化、IT関連の経費抑制、役員報酬の減額、社員の賞与減などで取り組んでいます。

第3四半期の業績を発表したスターフライヤー、ANAホールディングスもそれぞれ、わずかながら明るい兆しが見えています。スターフライヤーは12月単月で営業利益9,000万円、ANAホールディングスは2021年10月~12月に営業利益1億円と、それぞれ黒字を計上しています。コロナ感染者数の増加で厳しい環境にあるものの、航空各社はそれぞれに強靭な経営環境を確立しつつあり、需要回復期に向けた反転攻勢の体制を整えています。

■JAL 2022年3月期通期予想 (2021年11月発表と変更なし)
売上収益:7,660億円
財務・法人所得税前利益(EBIT):1,980億円の損失
当期利益:1,460億円の損失

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