エンブラエル、ブラジル空軍向けKC-390機数減で合意 コロナ禍の余波

エンブラエル、ブラジル空軍向けKC-390機数減で合意 コロナ禍の余波

ニュース画像 1枚目:ブラジル空軍 KC-390
© FAB
ブラジル空軍 KC-390

エンブラエルは2022年2月9日(水)、ブラジル空軍(FAB)向け多目的輸送機KC-390ミレニアムの契約機数について28機から22機に減少することを合意したと発表しました。納入期限も、2034年まで延長されます。機数減と納入期間の長期化により、ブラジル空軍向けの生産ペースはおよそ半減します。コロナ禍の影響によるブラジル政府の予算削減、特に空軍向け予算減少を受けた決定です。

FABは2021年5月、KC-390ミレニアム28機の導入は、コロナ禍の予算削減を受けて不可能である旨を公表。その時点で18機としていましたが、さらに少ない15機との見込みも出ていました。納入期間も延長し、2027年を期限と想定されていました。今回の合意で、納入期間は2034年まで延長しながら計画されていた機数減少を抑えた内容になっています。ブラジル政府の予算削減に合わせた合意であるものの、幅広い関連企業を抱える航空産業を守る決着となりました。

ニュース画像 1枚目:コロナ禍の余波で契約機数が削減されたFABのKC-390
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コロナ禍の余波で契約機数が削減されたFABのKC-390

エンブラエルは、KC-390ミレニアムをNATO加盟国のポルトガルとハンガリーから受注を獲得しています。KC-390は、空中給油や人道支援、医療避難、捜索救助、貨物・部隊輸送など、多目的の任務に対応できる機種です。

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