水際対策5,000人へ規制緩和、それでもほど遠い空港の日常

水際対策5,000人へ規制緩和、それでもほど遠い空港の日常

ニュース画像 1枚目:閑散とする成田空港到着ロビー
© FlyTeam ニュース
閑散とする成田空港到着ロビー

日本政府は2022年3月から、入国者数の上限を現在の1日3,500人から5,000人に引き上げると発表しました。岸田首相が新型コロナウイルス対応のうち、水際対策について説明しました。今回の緩和により、少しは日本への入国・帰国しやすい環境になるものの、コロナ前とは程遠い状況が続きます。

規制緩和は、入国人数を1日3,500人から5,000人とし、段階的に人の往来を増やす方向です。入国時の条件も、入国前・入国時の検査に加え、条件を満たせば待機期間を7日から3日とします。さらに、ワクチン3回目接種している場合、感染が広がっていない地域からの入国は待機期間を無くす緩和条件も設け、岸田首相は「主要先進国並みの対応にする」と強調しています。

現在、世界各国では、入国規制の緩和が進み、観光客の受け入れを再開した国もあります。規制緩和は欧米だけでなく、アジア各国にも広まっています。フィリピンは2月10日から全ての旅行者の入国を再開、ベトナムも3月15日から全面解禁する予定です。

コロナ前の2019年1月〜12月、日本国内の空港で国際線を利用した1日平均の出国・入国を合わせた旅客数1万人以上は7空港です。7空港で1日平均27万人超が利用しており、単純にその半分を入国者とした場合、13.5万人です。今回の緩和による1日5,000人は、コロナ前の入国者と比べると、平常とはまだまだ遠い数字です。

全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の国際線は2022年5〜6月ごろまで、コロナ前の計画比の運航率は20〜30%台です。海外の航空会社も貨物輸送を中心に、旅客機を使用した日本への運航を継続しています。1日5,000人はビジネスだけでも少ないと見られますが、観光客を含めた航空旅客無くして、空港の日常は戻ってきません。

■2019年の1日平均 国際線利用旅客数
空港1日平均 旅客数(人)
成田国際空港95,264
関西国際空港68,017
東京国際(羽田)空港50,788
中部国際空港(セントレア)18,586
福岡空港17,529
新千歳空港10,594
那覇空港10,085
メニューを開く