国土交通省はボーイング777型のプラット&ホイットニーPW4000系列エンジン搭載機について、2022年4月15日(金)にも運航再開を認める方針です。アメリカ連邦航空局(FAA)が耐空性改善通報(AD)を3月11日(金)付けで更新し、これと同様の改修を条件に、日本の航空会社、海外からの乗り入れ再開を許可します。日本航空(JAL)は、コロナでの需要減少も考慮してPW4000エンジン搭載機は全て退役させています。全日空(ANA)は今後、必要な改修を経て運航を再開する可能性があります。
運航再開の条件は、PW4000エンジンの逆推力装置内に破片シールドの取り付け、ファンブレード故障発生時に耐えられるエンジン・インレットの改修などです。運航停止の直接の事案は、2021年2月にユナイテッド航空のデンバー発ホノルル行きUA328便、P&W製エンジン搭載のボーイング777型が離陸直後に右エンジンのインレットが分離したことを受けた対応です。これ以前の2020年12月、日本航空(JAL)のJAL904便で、左側の第2エンジン破損の不具合も発生しており、これらの不具合を考慮した対応です。
PW4000系列のエンジンを搭載した国内で登録されている機体は、運航停止措置が講じられた2021年2月時点でJALに13機、ANAに19機でした。2021年12月から、アメリカへのフェリー便については運航が認められ、両社とも4機ずつ減少し、JALに9機、ANAに15機となっています。
■PW4000エンジン搭載の777型、アメリカへフェリー済みの機体
(離日時期、機体記号:機種)
<JAL>
12/16(木) JA773J:777-200
1/6(木) JA8979:777-200
1/26(水) JA009D:777-200
2/22(火) JA008D:777-200
<ANA>
12/20(月) JA702A:777-200
1/13(木) JA710A:777-200ER
1/26(水) JA709A:777-200ER
2/1(火) JA708A:777-200ER