世界初のA320P2F、ヨーロッパで追加型式証明 改修本格化へ

世界初のA320P2F、ヨーロッパで追加型式証明 改修本格化へ

ニュース画像 1枚目:A320の胴体に装着された貨物用ドア
© Elbe Flugzeugwerke GmbH
A320の胴体に装着された貨物用ドア

エアバスとSTエンジニアリングの合弁企業のエルベ・フルクツォイヴェルケ(EFW)は2022年3月24日(木)、エアバスA320-200型の旅客機を貨物機に改修したA320P2F型の追加型式証明書(STC)をヨーロッパ航空安全庁(EASA)から取得したと発表しました。旅客機を貨物機に改修する「P2F」では、A320をベース機とする初めてのSTCで、機種ではA330-200P2F、A330-300P2F、A321P2Fに続く4機種目です。改修したA320P2Fの1機目は2021年12月、シンガポール・セレター空港で初飛行していました。STC取得で、改修作業が本格化するほか、商業飛行へ近づきます。

STC取得では、エアバスとSTエンジニアリングの知見、STエンジニアリング・グループのリース会社所有の機材と、合弁企業の親会社のソースを活用しました。単通路機ではA321P2Fに続く貨物専用機で、短・中距離の貨物輸送に対応します。

A320は、これまでに約4,700機超が製造されています。このため、使用する航空会社や保有するリース会社へ、機体を長期にわたり使用し、機材へ再投資する選択肢を提供します。部品が豊富に流通し、製造された機材も多く、今後、P2Fへ改修する需要も高いと見られています。

STエンジニアリングとEFWは2022年中に中国とアメリカにA320P2F改修施設を設ける計画です。これにより、各機種の「P2F」改修施設で2024年までに年60機に対応できるよう能力を拡張します。

A320P2Fのローンチカスタマーは、ケニアのアストラル・アヴィエーションになる予定です。アストラル・アヴィエーションはリース会社でSTエンジニアリングの航空リース部門Vaayuグループから、リース契約で導入します。

■A320/A321P2Fの搭載量・航続距離比較
<A320P2F>
積載量:21トン
航続距離:3,400キロメートル
コンテナ搭載数:メインデッキ10個、ロワーデッキ7個、計17個、パレット1枚
<A321P2F>
積載量:28トン
航続距離:3,500キロメートル
コンテナ搭載数:メインデッキ14個、ロワーデッキ10個、計24個

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