ロシアの航空会社、バミューダ国籍など230機超をロシア国籍機に変更

ロシアの航空会社、バミューダ国籍など230機超をロシア国籍機に変更

ニュース画像 1枚目:Lacnorさん 2021年1月9日撮影 VQ-BFY エアバスA350-941 アエロフロート・ロシア航空
© FlyTeam Lacnorさん
Lacnorさん 2021年1月9日撮影 VQ-BFY エアバスA350-941 アエロフロート・ロシア航空

ロシアの航空会社は、機体記号(レジ)をこれまでのバミューダ国籍またはアイルランド国籍の登録から、ロシア国籍へ変更を進めています。2022年3月から4月5日(火)まで確認できるところ、230機超がロシア国籍の「RA」で始まるレジに変更されています。今回のロシア国籍へのレジ登録は、バミューダが経済制裁の1つとして、ロシアと関連する航空機の耐空性証明を有効としないと決定したことを受けた動きです。

ロシアによるウクライナ侵攻に端を発し、欧米諸国が経済制裁を発動しています。これに伴い、ロシア政府は自国の航空会社を守るため、ロシアの航空会社が慣行として続けてきたロシア国外でのレジ登録をやめるように促しており、「RA」への変更はこの取り組みです。

ロシアの航空会社がロシア以外でレジを登録するメリットは、納税額の抑制にあります。ボーイング、エアバスなど欧米で製造された航空機をロシア国籍で登録すると、輸入関税が必要になります。これを回避するため、バミューダ国籍「VP-B」「VQ-B」や、アイルランド国籍「EI」でレジ登録が選択されてきました。リース会社も過去のロシア経済の状況や政治体制を考慮し、資産価値の高い航空機をロシア政府の管轄下に置かれることを避けるため、バミューダやアイルランド国籍での登録を促す背景もありました。

なお、これと関連する問題として、ロシアの航空会社へのリース機は回収が進んでいません。航空関連データを提供するCiriumのまとめでは3月末にロシアの航空会社へのリース機は515機あり、このうちリース会社が回収できたのは79機としています。運航中、駐機中を含め、リース機だけで430機あります。また、ロシア最大の航空会社のアエロフロート・ロシア航空は、ボーイング、エアバス製の機材を171機保有しており、このうち4月5日(火)時点で100機超はバミューダ国籍です。今後もロシア国籍へのレジ移行が進められそうです。

■ロシアの航空会社によるロシア国籍へのレジ変更 4/5まで
アエロフロート・ロシア航空:60機
UTエア:42機
ポベーダ:24機
ロシア航空:21機
ノードウィンド航空:19機
ノードスター航空:9機
ウラル航空:9機
S7航空:8機
スマートアヴィア:7機
ヴォルガ・ドニエプル航空:6機
ペガサス・フライ:5機
アビアスター:5機
ヤクティア・エア:4機
オーロラ:2機
イザヴィア:2機
レッドウィングス:2機
UVTアエロ:1機
アイ-フライ:1機
ラスライン:1機
RusJet:1機
Eカーゴ:1機
アルロサ航空:1機
ヤマル・エアラインズ:1機

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