ブラジル空軍、アズール・ブラジル航空からA330を2機購入 空中給油機に改修

ブラジル空軍、アズール・ブラジル航空からA330を2機購入 空中給油機に改修

ニュース画像 1枚目:NATO向けA330 MRTT
© AIRBUS
NATO向けA330 MRTT

ブラジル空軍(FAB)は、空中給油機KC-X3プロジェクトとしてアズール・ブラジル航空のエアバスA330-200型を2機、購入することを決定しました。公開買付の条件として、A330マルチロール空中給油・輸送機(MRTT)として改修する機材で、2014年以降に製造された機種で募集し、アズールが入札に応募していました。アズール・ブラジル航空は2022年4月現在、2014年以降に製造されたA330-200は1機のみ保有しています。このため、アズールの保有するA330をブラジル空軍に納入するか、他の航空会社からの機材を充当するかは、不明です。

ブラジル空軍は、エアバスA330型をエアバスの工場が所在するスペイン・ヘタフェに運び、旅客機からMRTTへ改修する計画です。改修では空中給油装置と貨物機としての架装を実施します。1機の改修におよそ9カ月かかり、各種部品を取り外し、構造補強などを経て、給油ブームやポッド、各種アビオニクスシステムなどが搭載されます。

旅客機を空中給油機に転用する取り組みは、スペイン政府もイベリア航空から中古機を購入し、A330 MRTTに改修する計画を2021年9月に発表しています。さらに、エアバスA330をベースとした空中給油機は、エアバスがロッキード・マーティンと共同でアメリカ空軍向けにKC-Yが提案される動きもあります。

ニュース画像 1枚目:エアバス A330 MRTTの機内構成
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エアバス A330 MRTTの機内構成

なお、ブラジル空軍は輸送/空中給油機KC-390ミレニアムを導入していますが、2022年2月に契約機数を28機から22機に減少することでエンブラエルと合意しています。A330 MRTTは航続距離が14,000キロメートル(km)で、すでに保有するKC-390の6,000kmと比べ長く、補完する機種となりそうです。A330 MRTTは、オーストラリア空軍を皮切りに、イギリス、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、フランス、シンガポール、韓国など13カ国に選定されています。

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