「空の女王」と呼ばれ、多くの人に愛された旅客機、ボーイング747-400型が34年前の1988年4月29日に初飛行しました。747-400は「ハイテクジャンボ」と呼ばれ、開発当時の最新技術が盛り込まれた機種です。特にコクピットは、747-400以前は航空機関士を含め3名体制でしたが、747-400は機長・副操縦士2名で運航できるようになりました。登場した当時の最新技術を搭載した747-400ですが、初飛行から34年が経ち、現在は主に貨物機として日本へ飛来しています。そんな747-400を運航する航空会社や、見ることができる空港をまとめました。
■アメリカの航空会社
アメリカの航空会社は主に6社が成田国際空港をはじめ、名古屋・セントレア、大阪・関西国際空港の主要な国際空港にボーイング747-400貨物機が飛来しています。このうち、アトラス航空、ナショナル・エアラインズ、カリッタ・エアは横田基地をはじめ、三沢基地、嘉手納基地と在日アメリカ軍の飛行場に飛来することもあります。
アトラス航空 ナショナル・エアラインズ カリッタ・エア ウエスタン・グローバル・エアラインズ ポーラーエアカーゴ UPS航空■アジアの航空会社
アジアの航空会社は主に4社が成田、名古屋、関西に飛来しています。中でも注目されるのは、大韓航空が北九州空港に貨物定期便を週4便運航しており、木曜日は747貨物機です。また、中国のSFエアラインズが1機だけ保有する747-400貨物機は、主に北米・欧州路線に投入されていますが、成田、関西に飛来することもあり、日本への飛来は貴重な機会です。
チャイナエアライン 大韓航空 アシアナ航空 SFエアラインズ■ヨーロッパの航空会社
ヨーロッパの航空会社は主に4社が成田、関空に飛来しています。シルクウェイ・ウェスト・エアラインズは、通常塗装だけでなく、白やシルバーの機体も飛来しています。また、成田ではASLエアラインズ・ベルギー、カーゴルクス・イタリアを見ることができます。ロシアのウクライナ侵攻の影響で、エア・ブリッジ・カーゴは運休中です。
シルクウェイ・ウェスト・エアラインズ ASLエアラインズ・ベルギー カーゴルクス・イタリア エアブリッジ・カーゴ・エアラインズ ※運休中■特殊な747-400型
747-400を紹介する中で、欠かせないのは、セントレアに飛来する世界に4機しかないボーイング・ドリームリフターではないでしょうか。747-400旅客機を改造した貨物専用機で、ボーイング787ドリームライナーを製造するために作られました。機首部分は747らしい面影を残しつつ、胴体は787の主翼を搭載できるように風船を膨らましたかのような外観です。一度は自分の目で見たい方も多いのではないでしょうか。セントレアで必ず見れるわけではないですが、2機、あるいは3機同時に駐機していることもあります。セントレアを訪れた際には、スカイデッキに足を伸ばしてみましょう。
旅客機として引退した後も、貨物機として活躍する747-400型。コロナ禍に見舞われたこの2〜3年は、世界の物流を支え、活躍しました。しかしこの機種も今や、最新の747-8Fや、開発中のボーイング777-8貨物機へ更新され、今後数年で運航される機数が減っていくと予想されます。多くの人を魅了した機種の姿、活躍する間に目に焼き付けておきたいですね。