青と白で魅せる北欧デザインの真髄、フィンエアー塗装の歴史

青と白で魅せる北欧デザインの真髄、フィンエアー塗装の歴史

ニュース画像 1枚目:こだしさん 2022年1月4日撮影 OH-LWI エアバスA350-941 フィンエアー
© FlyTeam こだしさん
こだしさん 2022年1月4日撮影 OH-LWI エアバスA350-941 フィンエアー

成⽥/ヘルシンキ線をデイリー運航に戻したフィンエアー。コロナ禍の厳しい状況下でも、2020年6月に日本路線の運航を再開し、ついに2022年5月に毎日運航まで便数を戻しました。そのフィンエアーは、東京だけでなく、関西、名古屋、札幌、福岡にも就航し、長年、日本路線に注力してきた航空会社です。毎日見ることができるようになったフィンエアーは、その機体デザインにホワイトとブルーを基調としたシンプルな構成、色使いを継続し、北欧デザインの伝統を感じさせるイメージを保ち続けています。

ホワイトとブルーの配色は、実はフィンランドの国旗と同じです。カラーデザインだけではなく、機内食で使用されているビジネスクラスの食器やファブリックに、日本でも人気の高い北欧食器のブランド「イッタラ(iittala)」「マリメッコ(marimekko)」を使用し、特別塗装機には「マリメッコ」や「ムーミン」、サンタクロースをモチーフに採用し、自国フィンランドへの愛や敬意を表現しています。そのフィンエアーが採用してきた機体デザインの歴史を、日本就航後から振り返ります。

■尾翼に国旗 1970年代後半〜1990年代後半

ニュース画像 1枚目:sakuraさん 1992年2月5日撮影 N345HC マクドネル・ダグラス DC-10-30/ER フィンエアー
© FlyTeam sakuraさん
sakuraさん 1992年2月5日撮影 N345HC マクドネル・ダグラス DC-10-30/ER フィンエアー

フィンエアーは1983年4月、成田/ヘルシンキ線を開設。その当時、ヨーロッパの航空会社として初めて、かつ唯一の直行便を運航したことでも知られています。就航時の機体デザインは、尾翼にフィンランドの国旗をあしらったデザインでした。

機体中央部分にブルーの直線を描き、青空の中でも同系色が映えるデザインでした。この機体デザインの時期に、成田国際空港だけでなく、1994年に開港した関西国際空港への乗り入れを始めています。

■尾翼にフィンエアーロゴ初採用 1990年半ば〜2001年頃

ニュース画像 2枚目:Gambardierさん 1998年8月19日撮影 OH-LBS ボーイング757-2Q8 フィンエアー
© FlyTeam Gambardierさん
Gambardierさん 1998年8月19日撮影 OH-LBS ボーイング757-2Q8 フィンエアー

1990年代半ば、尾翼にロゴマークが初めて採用されました。尾翼は濃淡があるブルーを採用し、風に乗って流れるようなデザインが特徴的です。その中央の白い円には、フィンエアーのロゴマークがあしらわれています。

このロゴマークはある2つのものが組み合わされています。1つはフィンエアーの頭文字「F」で、もう1つは何かお気づきでしょうか。それは「航空機」です。Fの文字の下から左に向けて、流れるように航空機をイメージしたラインが伸びています。

ブルーの風が流れるようなデザインと合わせ、青空の中を優雅に飛行するイメージが感じられる尾翼デザインです。このデザインが採用されていた1999年には、航空連合「ワンワールド」へ正式加盟し、それ以降はワンワールド塗装の機体も登場しています。

■特徴あるエンジン・カウルとウィングレット 2002年頃〜2011年頃

ニュース画像 3枚目:PINK_TEAM78さん 2010年7月10日撮影 OH-LQA エアバスA340-311 フィンエアー
© FlyTeam PINK_TEAM78さん
PINK_TEAM78さん 2010年7月10日撮影 OH-LQA エアバスA340-311 フィンエアー

2002年頃から、尾翼ロゴ「F」をフォーカスしたデザインに変わりました。ロゴ「F」の流れるようなデザインを踏襲し、主翼のウィングレットにも同じロゴがあしらわれました。ウィングレットは、尾翼ミニチュアのようでかわいらしさが感じられます。

このデザインの特徴は、エンジン・カウルにもブルーのカラーリングが施されていることです。尾翼のブルーと機体の中心とも言えるエンジンのブルーで、青空に映えるデザインに進化しました。

このデザインが採用されていた2006年、中部国際空港(セントレア)に就航。ヨーロッパの航空会社ではルフトハンザ・ドイツ航空に次ぎ、東京・大阪・名古屋と日本の三大都市へ直行便乗り入れを開始しました。

■国を代表するブランドとコラボ開始 2011年頃〜

ニュース画像 4枚目:yabyanさん 2011年2月20日撮影 OH-LQG エアバスA340-313X フィンエアー
© FlyTeam yabyanさん
yabyanさん 2011年2月20日撮影 OH-LQG エアバスA340-313X フィンエアー

現在のデザインは2011年以降に登場しました。フィンランドのデザイン企業が手掛け、色味が深いブルーの「紺色」になっています。尾翼ロゴ「F」は、これまでのデザインを踏襲しつつ、カラーリングは紺色に変更し、落ち着きを表現。胴体に記した社名「FINNAIR」は、字体が大きくなり、デザイン性の高いフォントになりました。このデザインでダイナミック、モダンさが表現されています。主翼のウィングレット部分の「F」ロゴは残りましたが、外側ではなく、機内から見れる内側に変更されています。

2012年から、「マリメッコ」とのコラボレーションが深まり、特別塗装機が登場したり、機内アメニティにも採用されています。「マリメッコ」特別塗装機は、何度も日本各地に飛来しています。現行デザインは、コラボレーションも取り入れながら、これまで長く愛されてきたデザインを継続しつつ、シンプルなデザイン構成と色使いで、北欧デザインを機体全体で表現しているとも言えるでしょう。このデザインになり、福岡、新千歳にも就航を果たしています。

ニュース画像 5枚目:SGR RT 改さん 2021年5月4日撮影 OH-LWL エアバスA350-941 フィンエアー
© FlyTeam SGR RT 改さん
SGR RT 改さん 2021年5月4日撮影 OH-LWL エアバスA350-941 フィンエアー

現在、コロナ禍による影響が少しずつ薄れてきましたが、ヨーロッパ路線はロシア上空の飛行禁止の影響を受けています。フィンエアーは関空・セントレア・新千歳・福岡線の運航再開を2023年以降に決定しました。それでも成田線のデイリー運航再開で、成田空港ではいつでもデザイン性の高いフィンランドの雰囲気を楽しめます。

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