ドイツのショルツ首相が岸田首相との日独首脳会談のため、2022年4月28日(木)に来日しました。予定されていた首脳会談、夕食会などを終え、4月29日(金・祝)に離日しました。ショルツ首相就任後、アジアで日本が初めての訪問先となったことで、ドイツのアジア戦略が変化していると注目される来日でした。同時に、往路と復路で主務機を入れ替えて運用される興味深い航空機の運用でした。
ショルツ首相の来日に先立ち、4月27日(水)にドイツ空軍のエアバスA350-900型のビューロナンバー(Bu No.:機体記号)「10+03」がケルンからアラスカ上空を飛行する北回りで羽田空港に飛来。ショルツ首相は4月28日(木)、ドイツ空軍のエアバスA340-300型の「16+02」でベルリンから中央アジアを飛行する南回りで羽田に来日しました。
各種予定を終えたショルツ首相は、4月29日(金・祝)に「10+03」で離日しました。この機体には、日本からウクライナへの人道支援物資が2トン分積み込まれ、ヨーロッパに輸送されています。帰国時はアラスカ方面を経由する北回りで、ドイツに向かっています。なお、「16+02」は4月29日(金)13時現在、羽田空港にとどまったままです。
主務機、副務機を入れ替えて運航することは、機体の不具合等に対応する場合など、要人輸送に遅れが出ないように万全を期した運用が行われています。ただし、今回は不具合等かは分かりませんが、ウクライナへの人道支援物資を積み込んで政府要人と共に現地に向かうため、主務機を入れ替えて運航する珍しい事例だったとみられます。
ドイツ空軍のエアバスA340-300型は現在、2機が運航されており、日本に飛来した「16+02」と、「16+01」があります。いずれもA350に更新される予定ですが、VIP仕様への改修が施された後、ドイツ空軍で運用されます。2023年は日本がG7議長国となる予定で、その際にA340が飛来するか、あるいは今回が最後か、外交日程に委ねられます。
日本からウクライナへの人道支援物資は、まず2トンがドイツ機でヨーロッパに送られた。この援助物資は、在日ウクライナ大使館が積み立てたものです。ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。 pic.twitter.com/JpQ2c7lMUi
— セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使 (@KorsunskySergiy) April 29, 2022