アメリカ空軍、7月ごろ鹿屋基地に無人機MQ-9一時展開へ 1年間の予定

アメリカ空軍、7月ごろ鹿屋基地に無人機MQ-9一時展開へ 1年間の予定

ニュース画像 1枚目:MQ-9リーパー、画像は武装搭載仕様
© U.S. Air Force Photo / Lt. Col. Leslie Pratt
MQ-9リーパー、画像は武装搭載仕様

防衛省は鹿児島・鹿屋市に対し、2022年7月ごろから1年間、アメリカ空軍の無人偵察機MQ-9リーパーを8機、鹿屋航空基地へ一時展開すると伝えました。東シナ海を中心に日本の周辺海域で広範囲な海域の艦艇・船舶の所在の把握などの情報収集活動を主な任務とします。配備の具体的な時期は、日本、アメリカ側ともに準備が整い次第、速やかに実施したい方針です。8機の展開に伴い、機体操作、整備、後方支援など150名から200名程度の要員が鹿屋航空基地に派遣されます。

鹿屋基地での運用は、派遣された要員が地上からの無線通信でMQ-9を操縦し、基地から離陸させます。一定程度の距離を飛行した段階から、無線通信から衛星通信に切り替わり、国外の施設に所在するパイロットがMQ-9の操縦が移管されます。着陸時は、鹿屋基地周辺の一定の距離から、鹿屋基地に所在する要員が無線通信でMQ-9の着陸操縦を担当します。鹿屋基地で運用される海上自衛隊のP-1哨戒機などの離着陸にも支障がない運用が行われます。

MQ-9は、滞空32時間と長時間の飛行が可能なことから、日本周辺、特に中国の動きが活発になる大隅海峡や東シナ海などの海域で活動する艦艇や船舶の情報収集に適しています。機体には光学センサー、赤外線センサーを搭載しているほか、昼夜・悪天候時でも観測可能な合成開口レーダーなど、各種センサーを搭載しています。こうしたセンサーでの情報収集は、船舶の動きだけでなく、乗員の甲板上での行動など、不審な活動を把握することも可能とされています。

現在、アメリカ空軍がMQ-9リーパーを300機ほど運用しているほか、イギリス、フランス、イタリアの各空軍が導入し、情報収集活動を実施しています。日本では、海上保安庁が導入を検討するため、八戸航空基地で同型のMQ-9Bシーガーディアンを使用し、2020年10月から11月に飛行実証が実施されています。海洋監視活動の任務にあたる能力が確認され、2022年度に八戸航空基地を拠点に、運用の開始を目指す動きもあります。

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