小松F-15DJ事故、空間識失調が影響 再発防止で教育徹底・自動衝突回避の研究も

小松F-15DJ事故、空間識失調が影響 再発防止で教育徹底・自動衝突回避の研究も

ニュース画像 1枚目:空自 F-15 イメージ
© U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Joshua Turner
空自 F-15 イメージ

航空自衛隊は2022年6月2日(木)、小松基地所属F-15DJアグレッサー「32-8083」が墜落した事故調査報告書を公表しました。事故原因は、パイロットが空間識失調に陥っていた可能性が高く、回復操作が遅れたと指摘しています。再発防止策として、空間識失調の教育・訓練の強化だけでなく、コクピット内の安全確保に利用できる人的資源・機器・各種情報などを活用した教育・研究を充実させる方針です。

事故は1月31日(月)17時30分ごろに発生しました。墜落場所は、小松基地の西北西およそ5.5キロメートル付近の洋上です。事故機は小松基地を2機編隊の2番機として、レーダーを使用して前方機を追尾するレーダー・トレール隊形で離陸しました。17時30分ごろ、事故機は1番機へレーダーで捕捉できていない状況を報告する「ネガティブ・タイドオン」と送信後に、通信が途絶、レーダー航跡も消失しました。

捜索活動で機体が引き上げられ、フライトレコーダーも回収されています。調査は飛行データに基づき、離陸後に雲中で上昇旋回する途中、事故機の右ロールが過大になり、徐々に機首下げ姿勢になり、急速に高度が下がっていました。墜落の約2秒前には、異常姿勢から回復操作が行われていたことも判明しています。

ニュース画像 1枚目:事故機の墜落までの飛行イメージ
© 航空自衛隊
事故機の墜落までの飛行イメージ

報告書では、事故機の前席・後席のパイロットは自機の状態認識が遅れ、回復操作が間に合わずに墜落した可能性が高いと推定しています。事故当時の気象・天象条件が影響したパイロットの空間識失調、さらにレーダー・トレール隊形でレーダー操作に意識を集中させ、回復操作に至るまで事故機の姿勢を認識していなかった可能性があるとも指摘しています。

再発防止策として、空間識失調の教育・訓練を強化する方針です。基本計器飛行の確実な履行、異常姿勢の継続を検知あるいは地表などとの衝突を予想する警報によるパイロットの認知を回復するシステム、または機体が自動的に衝突を回避するシステムの調査研究と機体への搭載なども進めます。

空自では、2019年4月に発生した三沢基地所属のF-35A戦闘機「79-8705」の墜落事故でも、その原因としてパイロットが空間識失調に陥ったと推定されています。

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