夏休みまであとひと月。旅行の計画は立てられましたか?まだ決めかねている方にご提案です。この夏、「航空」をテーマに巡る中部国際空港(セントレア)を中心とした旅行はいかがでしょうか。セントレアのある中部地域は、航空関連産業が集積し、航空・飛行機を満喫できる施設が揃っています。首都圏・近畿圏からもアクセスが良く、日帰りや1泊2日の旅行先として最適な場所です。今回は宿泊をセントレアホテル「ANA ROOM」、見学施設としてセントレアの「フライト・オブ・ドリームス」とスカイデッキ、そして足を伸ばしたい「あいち航空ミュージアム」、「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」をご紹介します。
■セントレアホテル「ANA ROOM」- 本物が揃う客室
「航空」テーマの旅行を計画するにあたり、宿泊先は「セントレアホテル」をお勧めします。「セントレアホテル」はセントレアに直結し、滑走路や飛行機を見たり、周辺の航空関連施設を楽しんだり、さらに名古屋市街からのアクセス良さなど、テーマにピッタリな場所にあります。その中でも2021年10月、全日空(ANA)をテーマにしたコンセプトルーム「ANA ROOM」に宿泊したいところです。
この客室はセントレアホテル最上階の11階にあります。航空ファンなら、滑走路を一望できる場所として宿泊を検討したことがあるかもしれません。そんな飛行機の離発着を楽しめる客室に、まるで機内にいるかのように楽しめる部屋があります。
コロナ禍で宿泊者が激減する中、ホテルの魅力を最大限に活かし、利用者が楽しめる客室作りから登場したコンセプトルームです。ANAのボーイング787型や767型に搭載、地元企業のトヨタ紡織が開発したエコノミークラスのシート、機内食カート、ボーイング777型のタイヤホイールで製作したオリジナルテーブル、手軽に操縦気分を楽しめるセスナのフライトシミュレーターが備えられています。これらの設備は、ホテルが航空ファンに楽しんでもらいたいと、購入し、揃えたものです。
このホテルの意気込みにANAも協力し、飛行機から取り外した各種メーター、機体識別板、ビトー管などを提供し、ガラスケース内に展示されています。飛行機の最前方の丸い部分「レドーム」に収められ、雨や雲を観測するレーダーは、シートの横に置かれ、実際に触れることができます。客室内には、展示されている部品の説明に加え、ANAの整備士から宿泊者だけ楽しめるお楽しみ動画もあり、飛行機を知らない人も分かりやすい説明で詳しくなれます。
■特別サービス「機内食風 夕食」はカートで運ばれ大人気
「ANA ROOM」の特徴はこれだけでなく、さまざまな「本物」の航空グッズに囲まれながら、客室内で機内食風の食事を楽しむことができます。セントレアホテルはルームサービスを実施していませんが、カートと共に食事が運ばれて来るのは、この客室のみの特別サービスです。セントレアホテルもANAの監修の下、機内食に近づけるメニューや盛り付けを実現し、満足度の高いサービスになっています。
オープン後、初の宿泊者は女性だったそう。これまで、県民割を使う愛知県周辺が多いものの、北海道から福岡県まで各地からの利用者を集めています。宿泊目的は、結婚記念日に奥様がご主人へのサプライズ・プレゼントに利用したケースや、子供連れで楽しむ方など、幅広い楽しみ方があるようです。さらに約7カ月間で、計6回宿泊した方もいるほど、何度でも楽しめます。機内食風の夕食を選ぶ人は、実に75%と高い割合で、利用するなら選択したいサービスです。
なお、6月から9月にかけて、土・日・祝日と祝前日を中心に予約が埋まっていますが、平日はこれからでも予約できます。客室から滑走路を眺め、本物の航空グッズに触れ、機内食を楽しみ、子どもたちから大人まで、社会科見学のような客室を大いに満喫できるでしょう。
■リニューアルした「フライト・オブ・ドリームス」 -787を間近に楽しめる
「ANA ROOM」の宿泊とあわせ、「フライト・オブ・ドリームズ」は訪れたい施設です。ボーイング787型初号機「ZA001」を中心とした施設は2021年12月にリニューアルオープンし、小さな子どもたちから大人まで幅広い年齢層が楽しめる施設になっています。特に、「ZA001」を収める施設は、大型遊具を設置したキッズエリアが設けられ、天候に左右されることなく、子どもたちが遊べます。展示されている機体の見学や、飛行機に関連する展示、ボーインググッズの販売店舗、フライトシミュレーター施設もあり、航空をテーマにさまざまな楽しみも満喫できます。
展示されている「ZA001」は、タイヤの下から機体を見上げたり、エンジン近く、コクピットのデジタル計器類まで、興味関心に惹かれるままじっくりと見て回ることができます。遊び、あるいは歩き疲れたら「ZA001」をさまざまな角度からゆっくり観ながら、コーヒーを飲んだり、食事したりと、休憩する場所や飲食店も揃っています。「ZA001」が組み立てられたシアトルを感じる店舗や、気軽に楽しむカレーなどが揃い、まさに海外旅行の気分で食事もできる施設になっています。
■滑走路に近い「スカイデッキ」は外せないポイント!
セントレアでもう1つ、訪れたい場所が「スカイデッキ」です。「スカイデッキ」の先まで足を伸ばすと、滑走路近くから飛行機の離発着を楽しめます。セントレアを離発着する定期便だけでなく、国際線側には日本ではここでしか見ることが出来ない787の部品を輸送するボーイング・ドリームリフターが運良く駐機、作業している姿を見ることができるかもしれません。また、セントレアでは航空会社の飛行訓練情報を発信しています。ボーイング737型や767型の訓練の様子もスケジュールがあえば、確認できます。
「スカイデッキ」の先端まで、第1ターミナル4階からオープンエアを歩いて行くだけでなく、ターミナルの建物内からもアクセスできます。建物内には、セントレアに就航する航空会社のモデルプレーンが飾られていたり、飛行機の豆知識が紹介されていたり、子どもと訪れる時は、行きと帰りで別のルートを使うと、飽きずに楽しんでもらえることでしょう。
■飛行機を満喫できる施設は他にもある中部エリア
セントレアの施設だけでなく、飛行機・航空を楽しみたい場合、名古屋小牧空港に隣接する「あいち航空ミュージアム」、岐阜基地近くの「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」の訪問も検討したいところです。
■あいち航空ミュージアム
「あいち航空ミュージアム」には、戦後初の国産旅客機で、航空自衛隊で使用され、昭和天皇も搭乗したことのあるYS-11型が展示されています。訪れる日によってはパイロット体験や整備士体験などのプログラムも用意されています。
住所:〒480-0202 愛知県西春日井郡豊山町大字豊場(県営名古屋空港内)
アクセス:名古屋駅、栄駅から「あおい交通バス」利用
■岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」は、日本の航空産業の歴史を知ることができるだけでなく、短距離離着陸(STOL)の実験機「飛鳥」や実験用飛行艇「UF-XS」など、珍しい飛行機を見学できます。
住所:岐阜県各務原市下切町5-1
アクセス:名鉄各務原線・各務原市役所前駅から「ふれあいバス」利用
いかがでしたか?もし、全てを巡ることが出来なくても、紹介した中からいくつかを選択したり、ちょっと空いた休日を利用したりと、いずれの施設も航空や飛行機について、詳しくなれるでしょう。「航空」をテーマに訪れてみると、夏休みの自由研究にも役立つかもしれません。この夏はテーマを決めて、いつもと少し違う旅行をしてみるのはいかがでしょうか。