新たなエコなエンジン開発、巨大旅客機A380もテスト機に

新たなエコなエンジン開発、巨大旅客機A380もテスト機に

ニュース画像 1枚目:CFM RISEエンジン搭載したA380イメージ
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CFM RISEエンジン搭載したA380イメージ

エアバスとCFMインターナショナル、GE、サフランは2022年7月19日、燃費効率の優れた新型エンジン開発「CFM RISE(Revolutionary Innovation for Sustainable Engines)」をエアバスA380型機での試験飛行に合意しました。新型エンジンをA380に搭載し、2025年以降に飛行する予定です。新型エンジン開発は、アメリカ・ビクタービルを拠点とするGEのボーイング747型 飛行試験機と合わせ、エアバスとボーイングの巨大旅客機が新技術の実証・確立に貢献します。

CFM RISEプログラムで開発されるエンジンは、エンジンカウルで覆われている現在主流の形ではなく、ケースに囲まれていない「オープン」の形状が採用されます。「オープン」にすることで重量減と、ファンブレード大型化により、エンジンの周囲で多くの空気移動の流れを作ることができます。エンジンの後部へ流れる空気の総量と、ファンの内部を通過する空気の比率をバイパス比と言い、その比率が高いほど、燃費効率の向上につながります。現在の一般的なLEAPエンジンはバイパス比11対1のところ、オープンファンは70対1を超え、燃費が改善されます。

ニュース画像 1枚目:オープン・アーキテクチャーのCFM RISEプログラムエンジンを搭載
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オープン・アーキテクチャーのCFM RISEプログラムエンジンを搭載

このプログラムは、2030年代半ばに実現可能な次世代CFMエンジンの技術基盤の確立を目指しています。現在の最も効率良いエンジンと比べ、燃料消費量とCO2排出量20%以上の削減、静粛性の向上、100%持続可能な航空燃料(SAF)との互換性の確保など、航空業界を取り巻く課題解決に役立つ技術を検証します。CFMは、RISEプログラムのエンジンプロトタイプの製造・試験開始を目指し、さまざまな部品のテストを開始しています。

試験飛行機として活躍しているGEのボーイング747-400型「N747GF(機体記号)」は、かつて日本航空(JAL)で2010年まで活躍した「JA8910(機体記号)」です。

ニュース画像 2枚目:元JALのJA8910、現在はGEで試験機として活躍中 (Ryan-airさん 2016年2月1日撮影)
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元JALのJA8910、現在はGEで試験機として活躍中 (Ryan-airさん 2016年2月1日撮影)
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