超音速機「オーバーチュア」、監視・偵察や医療輸送など軍用機も開発へ

超音速機「オーバーチュア」、監視・偵察や医療輸送など軍用機も開発へ

ニュース画像 1枚目:オーバチュア、軍用機も開発へ
© Northrop Grumman
オーバチュア、軍用機も開発へ

超音速旅客機開発を進めるブーム・スーパーソニック(Boom Supersonic、以下ブーム)は2022年7月、ノースロップ・グラマンと共同で軍用機の派生型を開発すると発表しました。これに先立ち、アメリカ空軍は2022年1月、最大6,000万ドル(当時の為替レートで約66億円超)を支援すると発表していました。

ブームとノースロップ・グラマンが開発する超音速旅客機をベースとした軍用機は、迅速な対応を必要とする政府や軍の特殊任務支援が想定されています。超音速航空機の潜在的な用途として、監視・偵察、指揮統制、緊急医療避難や医薬品輸送、機動的な隊員輸送など兵站任務の支援が挙げられています。

ブームが開発する超音速機「オーバーチュア」を活用した軍用派生型のプランは今後、ノースロップ・グラマンが手がけたこれまでの特殊航空機を基に具体化が進められる見込みです。ノースロップ・グラマンの主な特殊航空機の開発では、航空自衛隊も導入する早期警戒機E-2Dアドバンスド・ホークアイや、地上の監視や攻撃目標の探知・追跡・戦闘指揮など管理・統制を行う対地上版AWACSのE-8ジョイント・スターズなどが代表的なものです。

「オーバーチュア」は、旅客機としては65〜80席を備え、100%持続可能な航空燃料(SAF)の搭載、スピードはマッハ1.7、航続距離は4,250海里(約7,900km)の実現をめざしています。エンジン4発搭載などの仕様が決まったほか、ブレーキや着陸装置、防氷やデータシステムなど、部品供給を受ける契約を締結し、開発が加速しています。計画では2024年に1機目を製造開始し、2026年に初飛行を予定しています。

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