中国が台湾付近に飛行禁止区域設定、ANA・JALの台北線など迂回運航

中国が台湾付近に飛行禁止区域設定、ANA・JALの台北線など迂回運航

ニュース画像 1枚目:海上保安庁 NAVTEX
海上保安庁 NAVTEX

中国の航空当局が2022年8月4日(木)、台湾付近で飛行禁止区域を設定し、民間機が迂回航路で運航しています。全日空(ANA)と日本航空(JAL)の台北線は、台湾を周回するように大きく迂回しているほか、台湾の航空会社も台北の北から運航する航路を避けています。アメリカのナンシー・ペロシ下院議長が台湾訪問を受け、中国軍が対抗措置で実施する台湾近海での大規模演習を受けた飛行禁止区域の設定とみられます。なお、中国軍の演習については、海上保安庁も航行警報を発出し、注意を呼びかけています。

中国の演習エリアは、台北の北と北東付近に設定されています。日本/台北間を結ぶ航路は通常、宮古島や石垣島の北を直進し、台北と結んでいます。8月4日のANAが運航する成田/台北線(NH9647/NH9648便)は、宮古島や石垣島の南から、高雄付近で台湾に入る航路が使用されています。JALが運航する台北発成田行きJAL802便は、台北の北東付近を避け、宮古島や石垣島の南付近を飛行する航路が採用されています。

ニュース画像 1枚目:Flightrader24によるANA9647便の航路
Flightrader24によるANA9647便の航路
ニュース画像 2枚目:Flightrader24によるJAL802便の航路
Flightrader24によるJAL802便の航路

このほか、日本/台湾間では、日本貨物航空、スターラックス航空も宮古島や石垣島の北を直進する航路で中国軍の演習エリアを避けて運航しています。

ニュース画像 3枚目:日台間を運航する定期便の航路、NH9648便、BR197便、KZ241便、JX821便
日台間を運航する定期便の航路、NH9648便、BR197便、KZ241便、JX821便

中国人民解放軍は、海軍・空軍・ロケット軍・戦略支援部隊を投入し、台湾を包囲するように演習を実施しています。その内容は海上攻撃、陸上攻撃と航空優勢の確保、さらに統制面で統合作戦能力の確認です。中国空軍では、殲20(J-20)ステルス戦闘機や殲16(J-16)戦闘機、H-6爆撃機を演習に動員していると発表しています。また、台湾側の発表では、8月3日に中国空軍の殲11(J-11)戦闘機、J-16、Su-30が台湾の防空識別圏に入ったと発表しています。

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