【航空自衛隊 輸送機 2022】平常時から災害時まで活躍する3機種 C-1、C-130H、C-2

【航空自衛隊 輸送機 2022】平常時から災害時まで活躍する3機種 C-1、C-130H、C-2

ニュース画像 1枚目:航空自衛隊 C-2輸送機 (F-4さん 2022年4月22日撮影)
© FlyTeam F-4さん
航空自衛隊 C-2輸送機 (F-4さん 2022年4月22日撮影)

航空自衛隊で活躍する飛行機といえば、戦闘機やヘリコプターを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、平常時は着々と任務をこなし、災害時はいち早く被災地へ向かう輸送機も、重要な役割を果たしています。戦闘機・ヘリコプターを除くと、航空自衛隊の航空機58機のうち、輸送機は34機です。大量の物資や多くの人員を運ぶことが通常の任務で、自然災害時には被災地へ支援物資、隊員や消防士・警察官などの輸送に活躍しています。現在、運用されている輸送機は、導入順にC-1、C-130H、そしてC-2の3機種です。今回は、自衛隊の活動を裏で支える輸送機を紹介します。

1970年代から使用:退役進むC-1

ニュース画像 1枚目:C-1輸送機 (マクロス野郎さん 2020年11月24日撮影)
© FlyTeam マクロス野郎さん
C-1輸送機 (マクロス野郎さん 2020年11月24日撮影)

アメリカから供与されたC-46輸送機の更新にあたり、国産YS-11型の改良なども検討されたものの、独自開発を行い、1970年代からC-1を導入。試作機を含め、31機が製造されました。機体の大半は貨物室で、物資だけでなく、隊員が搭乗することも可能です。最大で60名、空挺隊員は45名を輸送できます。

2017年3月末は現役17機でしたが、2022年3月末に7機まで減少し、更新が進んでいます。現在は、入間基地と岐阜基地の2基地に配備され、各地で開催される航空祭にも地上展示されます。完全退役前に今一度、見学しておきたい機種です。

1980年代に導入:世界で活躍するC-130H

ニュース画像 2枚目:C-130H輸送機 (Wings Flapさん 2022年4月22日撮影)
© FlyTeam Wings Flapさん
C-130H輸送機 (Wings Flapさん 2022年4月22日撮影)

C-130は、初飛行が1954年と、C-1よりも以前に開発された機種です。改良を続けながら、約70年近く運用されています。航空自衛隊は、C-1の高騰する費用を抑制するため、C-130Hの採用が決まり、1980年代に導入されました。最大92名、空挺隊員は64名を輸送できます。

C-130は、低高度での飛行や空挺降下、物料投下、不整地着陸など、様々な場面を想定した輸送任務に対応できます。航空自衛隊を含め、63カ国で2,500機超が納入されている軍用輸送機のベストセラーです。

2010年代に導入:新たな航空自衛隊の主力輸送機C-2

ニュース画像 3枚目:C-2輸送機 (DONKEYさん 2021年7月4日撮影)
© FlyTeam DONKEYさん
C-2輸送機 (DONKEYさん 2021年7月4日撮影)

2010年1月に初飛行したC-2は、最大110名を輸送できる航空自衛隊でもっとも輸送力の高い機種です。2022年3月末時点で14機が導入され、C-1を更新しています。美保基地では、すでに全ての輸送機がC-2になっています。

海外への売却が模索されているのも、この機種の話題の1つです。商談会が中心の展示会「ドバイ・エアショー」や「パリ国際航空宇宙ショー」だけでなく、世界最大の軍用機のエアショー「ロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー(RIAT)」にも参加。製造する川崎重工だけでなく、航空自衛隊も世界の軍関係者へアピールしています。

ニュース画像 4枚目:C-2からの空挺降下 (jackassさん 2021年1月8日撮影)
© FlyTeam jackassさん
C-2からの空挺降下 (jackassさん 2021年1月8日撮影)

航空自衛隊の輸送機3機種は、物資や車両の輸送など、軍用機としての基本性能を活かした任務は変わりありません。陸上自衛隊の空挺降下の支援、災害派遣、さらに全国各地の航空祭で多くの人を沸かせるブルーインパルスの整備員や物資輸送などでも使用されています。

これらの輸送機は、速さと輸送力を活かした活動にも使用されています。特に、患者輸送では、C-130HとC-2に「空飛ぶICU」と呼ばれる機動衛生ユニットを搭載し、重症患者の国内移動も支援しています。海外での活動にも対応し、2022年は、トンガでの火山噴火でC-130HとC-2、ウクライナ情勢ではC-2が輸送任務に対応しています。

C-2は今後、22機まで導入予定です。C-1は完全退役を控え、C-130Hも今後、更新が検討され、新たなC-130JまたはC-2の導入が考えられるでしょう。2022年に入り、コロナの影響で中止されていた航空祭や体験搭乗が再開されています。3機種ある輸送機に注目し、航空祭などに出かけてみてはいかがでしょうか?

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