日の丸の塗装を施したユーロファイター・タイフーン戦闘機を含む、ドイツ空軍の6機が2022年9月27日(火)から30日(金)まで、百里基地に飛来します。百里基地では、第7航空団のF-2戦闘機と、タイフーン戦闘機が編隊航法訓練を実施します。これに先立ち、オーストラリアで実施された演習で、F-2とタイフーンの2機が編隊飛行を実施。さらに、百里では2機種が3機ずつ、計6機が飛行します。タイフーンの来日を前に、この2機種を比べてみましょう。
この2つの戦闘機は、タイフーンが対空・対艦・対地とオールラウンドに対応、F-2は対艦能力に優れ、対空にも対応しています。タイフーンは、ドイツ空軍だけでなく、イギリス、イタリア、スペインとヨーロッパ各国空軍に採用され、F-2は航空自衛隊のみで使われている戦闘機です。ほぼ同時期に開発された2機種は、タイフーンが各国の要望を満たすオールラウンド機、F-2は広い海の防衛を重視した戦闘機です。
諸元を見ると、全長は15m台、翼幅は11m、全高は5mと、多少の違いがあるものの、同じような大きさの戦闘機です。
■F-2とタイフーン諸元比較F-2戦闘機 | タイフーン戦闘機 | |
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初飛行 | 1995年10月7日 | 1994年3月27日 |
製造会社 | 三菱重工業 | ユーロファイター (エアバス、BAE、レオナルドなど ヨーロッパ各国企業が出資) |
製造機数 | 98機 (製造終了) | 570機〜(製造中) |
乗員 | 1名または2名 | 1名または2名 |
全長 | 15.52m | 15.9m |
全高 | 4.96m | 5.3m |
翼幅 | 10.80m | 11.0m |
翼面積 | 34.84m2 | 50m2 |
最大速度 | マッハ1.7 | マッハ2.0 |
フェリー飛行時 航続距離 | 4,000km | 3,706km |
最も大きな違いは、翼面積にあります。タイフーンの主翼は、デルタ翼と呼ばれる三角の形状です。デルタ翼には低速時の安定性を確保するために、機体前方のコクピット脇に小さな翼「カナード翼」をつけているのが特徴です。
F-2は、開発時のベース機になったF-16より大きい主翼を採用し、小さい半径で旋回できる性能向上が実現しました。大きな主翼により、開発時にタイフーンと同じカナード翼の装着が検討されましたが、実際には、コンピューター制御の飛行プログラムを組み込み、離着陸を含む低速時の安定性を確保しています。
F-2より大きな主翼を持つタイフーン戦闘機は、日の丸の塗装デザインに加え、主翼そのものにも目が向きます。ドイツ空軍タイフーン3機が、9月27日に百里基地に飛来する予定です。F-2との共演が待ち遠しいですね。