初飛行から40年超でも、主力旅客機として活躍するボーイング767型機。これまで1,250機超が製造され、貨物・軍用機の製造が続いています。この767新造機の1割以上、170機超を日本の航空会社と航空自衛隊が受領してきました。開発当初から日本企業が製造協力したことが、日本で積極的に採用される要因の1つと考えられます。
9月現在、日本で活躍している767は、日本航空(JAL)が28機、全日空(ANA)が27機(うち貨物9機)、AIRDOが4機、航空自衛隊が10機です。過去には、スカイマークが運航していた時期もありました。JALは派生系の767-300型のローンチカスタマー、ANAは新造機で99機と世界2番目に多い機数を導入し、日本の空で多くの767が活躍しています。
■日本への767導入機数と動向現役機 | 現役 旅客機 | 退役機 | 導入機数 | 新造機 導入機数 | |
---|---|---|---|---|---|
JAL | 28 | 28 | 32 | 60 | 60 |
ANA | 27 | 18 | 72 | 99 | 99 |
AIRDO | 4 | 4 | 7 | 11 | 2 |
航空自衛隊 | 10 | 0 | 0 | 10 | 10 |
スカイマーク | 0 | 0 | 7 | 7 | 6 |
計 | 69 | 50 | 118 | 187 | 177 |
国内で現役の767旅客機は、計50機です。このうち、旅客機で最も新しい機体はJALが2011年、ANAが2012年に導入されており、今後もおよそ10年程度は定期便で飛び続けるとみられます。
航空自衛隊でも767をベースにした、空中給油機のKC-767とKC-46A、早期警戒管制機(AWACS)のE-767の3機種が運用されています。KC-767は航空自衛隊とイタリア空軍のみ、E-767は航空自衛隊のみが使う珍しい機種です。KC-46Aはアメリカ空軍と航空自衛隊が導入し、さらに導入国が増える見込みです。
国内の航空会社から退役した118機のうち、4割に迫る45機が主に旅客機から貨物機に改修されて現在も活躍しています。世界各地で運航するUPSやDHL、アマゾン・エア、カンタス・カーゴ、LATAMブラジルカーゴ、さらに日本にも飛来機会のあるATIなどが運航しています。
767は第2の人生を貨物機として歩む機体も多く、今後も日本や世界でしばらく活躍を続けることでしょう。