ベル・テキストロン社は、アメリカ陸軍の将来型長距離攻撃航空機(FLRAA)プログラムとして、同社が提案していたティルトローター機「V-280 バロー」が選定されたと発表しました。
アメリカ陸軍のFLRAA(Future Long-Range Assault Aircraft)プログラムは、アメリカ陸軍UH-60ブラックホーク輸送ヘリコプターの後継機を選定するため、2019年から開始された計画です。後継機の選定は、シコルスキー社とボーイング社の連合による複合ヘリコプター「SB>1デファイアント」と競っていましたが、バローが採用を勝ち取りました。
バローは、ヘリコプターのように垂直離着陸が可能なティルトローター機で2017年12月に初飛行に成功。同様のティルトローター機といえば、ベル社のV-22オスプレイで、アメリカ海兵隊や陸上自衛隊に配備されています。バローはオスプレイよりもひと回り小さいのが特徴で、オスプレイと異なりプロップ・ローターのみが折れ曲がる仕様です。
一方のデファイアントは、複合ヘリコプターで、反対方向に回転する2つのローターを備えています。この2つのローターにより方向を維持する必要がないため、テール・ローターが不要で、代わりに推進をつけるためのプロペラが尾翼に取り付けられています。2019年3月に初飛行を成功させていました。
アメリカ陸軍では2030年以降より、ブラックホークからバローに順次置き換える予定です。