エンブラエル社による195-E2型機のデモフライトが、ニューギニア航空の拠点であるポートモレスビー空港で2023年2月22日に行われました。デモフライトを行ったのは、2022年11月に羽田空港へ来日した愛称「TechLion(テックライオン)」の195-E2型機「機体記号:PR-ZIQ」です。
ニューギニア航空のCEOはエンブラエル機を前に、「新型コロナウイルス感染症による影響でフライトを大幅に削減しています。今後の拡大に向けて、ネットワークの再構築と保有機材の見直しを検討している。」と述べました。国内線や近距離国際線で使用されているフォッカー70型機およびフォッカー100型機の置き換えも視野に検討しているものと思われます。
■ニューギニア航空のフォッカー
現在、フォッカー機を運航する航空会社は減少しており、レア感が増しています。エンジンが主翼ではなく機体後部に設置されている「リア・エンジン機(リア・ジェット)」とも呼ばれています。客室とエンジンの距離が近いため、客室後部の座席ではエンジンの振動や音が肌で感じられることから、航空ファンからの人気が高い飛行機です。同じリア・ジェットの機体としては、日本エアシステム(JAS)から受け継ぎ日本航空(JAL)が運航していたマクドネル・ダグラス社MD-81、MD-87、MD-90-30、DC-9型機などがあります。
■ニューギニア航空の日本路線について
2020年初頭までは、週1〜2便で成田/ポートモレスビー線に就航していました。ポートモレスビー乗り継ぎでオーストラリアのケアンズに向かう路線などの航空券は、格安で出回ることが多く、日本人観光客の姿も多くみられました。さらに、第二次世界大戦中に旧日本軍が展開したパプアニューギニアのラバウルや、ソロモン諸島にあるガダルカナル島(ホニアラ)への乗り継ぎも可能であり、同路線を利用する需要もありました。
日本路線以外のアジア路線として、香港、シンガポール、マニラ/ポートモレスビー線は、すでにボーイング767-300型機またはボーイング737-800型機で再開済みですが、成田/ポートモレスビー線の再開についてはまだ発表されていません。以前、成田線で主に使用されていたボーイング737-700型機が退役済みであることも関係しているのかもしれません。
パプアニューギニアの国旗にも採用され、垂直尾翼にも描かれる極楽鳥。希少種でもあるニューギニア航空を、また成田で見られる日は訪れるのでしょうか。