2023年3月24日(金)14時20分に、羽田空港を離陸した真っ白なボーイング767-300ER型機。この機体は、日本航空(JAL)の「機体記号:JA651J」として活躍した機体で、3月上旬にUPS航空へ売却された「N397UP」です。現在飛行中で、目的地は「飛行機の墓場」として知られている、アメリカのヴィクターヴィル・サザンカリフォルニアロジステクス空港です。
2010年10月に就航した「JA651J」は、約12年4か月間、近距離アジア線から太平洋横断路線を含む国際線や、定期的に国内線へも投入されていました。ラストフライトは、2023年2月4日のJL588便 函館/羽田線。この日は、羽田/釧路線を1往復、羽田/函館線2往復の、計3往復6便の運航をこなし、国内線・国際線兼用機としての機動力を発揮していました。客室仕様は導入時から一貫して「A43」と呼ばれるJAL SKYRECLINER(ビジネスクラス) 30席、エコノミークラス 197席の計227席を配したコンフィギュレーションでした。
UPS航空は「JA651J (現N397UP)」を含めて5機の767をJALから購入。「N362UP (元JA604J)」「N363UP (元JA605J)」「N364UP (元JA609J)」の3機は、旅客型から貨物型へ改修(BCF)済みで、UPS航空のフルカラーで運航中です。2022年6月にも元JAL機「N396UP (元JA652J)」を受領していますが、まだ貨物型へは改修されておらず、ヴィクターヴィルで保管されています。「N397UP (元JA651J)」についても、運航期間が短いことからも解体されることは考えづらく、貨物型への改修を待つ間、しばらく保管されると思われます。