ボーイングは2023年4月27日、新たな航空技術の実用化を目指す「ecoDemonstrator」プログラムの2023年計画を発表しました。ボーイング787-10型の新造機1機と現行のエコデモンストレーター(技術試験機)であるボーイング777-200ER型機「機体記号:N861BC」で、2023年は2機体制とします。既存の777-200ERでは19項目の技術的試験を実施。新たな787-10試験機では燃料消費量とCO2排出量を削減する試験や、航法に関する試験を行う計画です。787-10はこの試験のために、シアトルから東京、シンガポール、バンコクへ6月に運航を計画しています。

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2022年から運航している“ecoDemonstrator” (ボーイングフィールド 2022年11月12日撮影 N861BC ボーイング777-212/ER)
「ecoDemonstrator」プログラムは、2012年から開始され、航空会社へ納入前の新造機や中古機が使用されています。現行の777-200ER「N861BC」は、プログラム開始10周年を記念した特別塗装が施され、2022年に登場しています。元々、シンガポール航空やニュージーランド航空で運航されていた機齢20年の機体です。2019年から2020年までの試験機777-200「N772ET」は、中国国際航空が使用していた機体でした。新造機の787-10は、試験機として活躍したのちに、航空会社へデリバリーされると予想されます。さらに、航空会社と共同で進めらるケースもあります。代表的な例では、日本航空(JAL)が参画している“CONTRAILプロジェクト”。実際に営業運航する機体で、飛行中に外気のCO2濃度を測定する試験を行なっています。