トルコのエルドアン大統領は2023年5月1日、開発を進めている“国産ステルス戦闘機”「TF-X」のプロトタイプを公開し、「KAAN (カーン)」と命名したことも発表しました。大統領はコクピットに乗り込み、地上走行も披露し、開発が順調に進んでいることをアピールしています。「KAAN」とは、“強大な支配者”を意味するオスマン帝国で使用された男性名詞です。
「KAAN」は、トルコ航空宇宙産業(TAI)を中心に開発が進められています。空対空・空対地用の、F-22A、F-35A/Bと同じ第5世代ジェット戦闘機。機体はF-35/Aより一回り大きく、最大速度はマッハ1.8です。搭載されるエンジンについては、プロトタイプと初期生産機はF-16戦闘機と同じF110エンジン、量産機は国産エンジンの予定で開発が進められています。
北大西洋条約機構(NATO)に加盟するトルコでは、現在200機以上を運用しているF-16ファイティングファルコンC/D戦闘機の後継機として、初期から米国などとF-35共同開発プロジェクトへ参加。100機程度の購入を予定し、すでに何機かはトルコ空軍向けに製造され、パイロット訓練も行われていました。しかし、2019年にロシアの地対空ミサイルシステムを導入したことにより、このプロジェクトから締め出されました。これによりF-35の導入が難しくなり、以降国産ステルス戦闘機の開発スピードを加速させていました。当初は2026年の初飛行を目指していましたが、2023年12月までに初飛行、2029年ごろの納入を目指しています。
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— Türk Havacılık Uzay Sanayii (@TUSAS_TR) May 2, 2023