航空自衛隊 美保基地(鳥取県)は5月28日、2019年以来4年ぶりに「美保基地航空祭2023」を開催しました。
航空機ファンやファミリーなど約4万人が全国各地から集まり、大いなる盛り上がりを見せました。目玉として、2017年以来6年ぶりにアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」が登場したほか、地上展示機に特別航空輸送隊の政府専用機、ボーイング777-300ER型機「機体記号:80-1111」が並んだことも、今回の航空祭で注目されました。
同基地所属のC-2輸送機によるオープニングフライトで幕を開けた航空祭。天候は曇りですが、雲の隙間からたまに青空が顔を出しました。同基地のC-2といえば、4月末、戦闘状態にあるアフリカ・スーダンに残された邦人避難のために近隣国ジブチへ派遣され、5月8日に美保基地に帰還していました。今回の航空祭に登場した機体は、まさに邦人救助のためジブチへ行った「28-1216」でした。この機体を含め、オープニングフライト、珍しい3機での編隊飛行、物料投下、空挺降下と、C-2が大活躍でした。
戦闘機では、築城基地(福岡県)から飛来したF-2がキレのある機動飛行を見せると、最後は両翼を振って“サヨナラ”とお手振りで「RTB (Return To Base)」。UH-60J救難ヘリコプター、U-125A救難捜索機の救難展示と続き、最新鋭機のKC-46A空中給油・輸送機は、航過飛行を実施しました。空中給油・輸送機は日本全国でも配備している基地は少ないので、飛んでいる姿をしっかり見られるのは貴重です。
午後になり、本日のメインイベント「ブルーインパルス」の展示飛行が14時に開始されました。ブルーインパルスの登場は、4月15日の岩国基地(山口県)フレンドシップデー、5月14日の「全国丸森いち」(宮城県)に続き今年3回目です。岩国基地フレンドシップデーでは悪天候につき地上タキシングのみ。「全国丸森いち」は規定により曲技飛行の演目はなかったため、今回が今年初の曲技飛行となりました。観客全員がワクワクしながら見守る中、タッククロス、コークスクリューなど、「これぞ航空祭!」といった課目で魅了しました。
地上展示機は、同基地で初展示となった政府専用機のほか、E-2C早期警戒機、C-1輸送機、T-7練習機、T-400練習機などが並び、会場に華を添えました。
岩国、横田と雨続きのイベントが続く中、ときおり雨がポツポツしながらも、見応えのあるプログラムが展開された「美保基地航空祭2023」でした。