カンタス・グループは2023年5月29日、20機保有するボーイング717型機の退役を開始したことを明らかにしました。717は、カンタスリンクが国内線および近距離国際線向けに運航中の機体。2023年末から29機を導入するエアバスA220型機へ順次置き換える計画です。すでに3機の717が退役済みとなっており、シドニー空港で行われた退役セレモニーでカンタス航空グループCEOは、20年以上オーストラリアで活躍した3機目の退役機「機体記号:VH-NXI」を労い、717と比べて2倍の航続距離を誇るA220の導入に期待を寄せました。
3機目の退役機となった「VH-NXI」は、2000年にデリバリーされたオーストラリア初の717。インパルス・エアラインズやジェットスターで運航され、その後カンタスリンクへ移籍し約15年間運航されてきました。同機はアメリカへ売却されるといい、6月中旬に予定されているフェリーフライト(空輸便)では、フィリピン・セブ、札幌、アメリカ・アンカレッジを含む8回の給油が予定されています。
一足先に2機目の退役機となった「VH-NXJ」は、SXI2332便として5月19日にオーストラリア・キャンベラを出発。途中、アリススプリングス、ダーウィン、フィリピン・セブ、中部国際空港を経由して23日に新千歳空港へ飛来しました。今や貴重な存在となった、T字尾翼とエンジンが後部胴体に設置されている「リアジェット」を一目見ようと、多くの航空ファンが空港へ駆けつけ話題となりました。