カナダ空軍(RCAF)は2023年5月31日、エアバスA330-200型機をベースとしたCC-330を公開しました。カナダ政府およびカナダ空軍は今回公開された1機を含む2機を調達、さらに4機の導入を進めています。調達した2機はクウェート航空で運航されていた中古機「機体記号:9K-APC」などとみられ、現在スイス・バーゼルで改修作業などを実施。今回、塗装のためにフランス・シャトールーを訪れ、カナダ政府塗装をまとった姿が公開されました。
カナダ空軍は現在、エアバスA310-300型をベースとしたCC-150ポラリスを5機運用中。いずれも機齢が35年程度であるため、これを置き換えることが発表されています。5機のCC-150(A310)のうち、2機が空中給油機能を備えた多目的輸送機(MRTT)で、今回公開されたCC-330(A330)は空中空輸機能を備えていないことから、当面の間は戦略輸送機として軍関係者や貨物輸送に使用される模様です。
CC-150(A310)の3号機、カナダ空軍のレトロ塗装が施された「15003」は、5月に開催されたG7広島サミットでのカナダ・トルドー首相搭乗機として広島空港へ運航されました。ほかにも、カナダ政府塗装の「15001」やカナダ空軍塗装など、5機にはそれぞれ異なった塗装が施されています。
カナダ政府は2030年ごろまでに全機の置き換えを計画。夏ごろにはCC-330(A330)の運用が開始される予定となっているため、CC-150(A310)が主力機として活躍するのはあと数年程度となりそうです。