2023年6月4日(日)、航空自衛隊入間基地(埼玉県)の恒例イベント「入間基地ランウェイウォーク2023」が開催されました。FlyTeam編集部きっての航空ファン2名が参加してきました!
■ランウェイウォークってどんなイベント?
ランウェイウォークは、普段は入ることができない自衛隊基地の滑走路に入って歩けるイベントです。約4kmの距離を自分のペースで歩きながら、滑走路の標識や灯火などが間近で見られるほか、地上展示機を近くから見学したり、機内を見学することができます。警備犬のデモンストレーションや入間修武太鼓の太鼓演奏も楽しめます。
例年、基地ホームページなどの告知による事前応募で参加者1,000名を募集し、応募多数の場合抽選が行われます。今年は募集人数1,000人に対して、応募総数なんと約11,000人! 倍率11倍の抽選に当選した幸運な1,000人+招待者約500人の計1,500名がイベントに参加しました。
■雨天開催!VIP車両がお出迎え
イベントの開催時間は9時から14時です。入間基地の門で入場チェックを受けると、そこからエプロン(飛行場)までは車やバスで送迎してくれます。航空祭では大混雑の中テクテク歩いていくことを思うと、ランウェイウォークは参加者を制限している分手厚くエスコートしてくれているように感じます。
ランウェイウォークは11時スタートなので、10時30分までに基地に入ればOK。それまでは地上展示機を見たり、機内見学をしたり、物販店を回ったりと思い思いの時間を過ごせます。
ちなみに、イベント前日は日本各地で「線状降水帯」が発生し、激しい雨で開催が危ぶまれましたが、無事に開催してくれました。例年多少の雨なら開催してるようです。ただし、雨でも基地内は傘の使用は厳禁!カッパと雨靴必須です。基地隊員の方は、開催を信じて朝6時から準備をしてくれていたとのことでした。ありがとうございます!
■C-2とCH-47の体験搭乗は早めに並ぶべし!地上体験滑走は抽選
エプロンには入間基地に所属するC-1、C-2輸送機、T-4練習機、U-680飛行点検機、CH-47J輸送ヘリコプターのほか、埼玉県警のBK117D-3ヘリコプター“むさし”などが展示されていました。
このうち、C-2とCH-47Jは機内に入ることができました。折り畳み式の椅子に座ったり、コックピットを見学したりすることもできます。ただし、機内見学は両機ともに長蛇の列です。CH-47Jは比較的進みが早かったですが、C-2はあまりの行列で11時のランウェイウォークに間に合わず、断念しました。見たい人は早めに並ぶことをおすすめします。
この日イベント参加者の中から抽選で、C-1の地上体験滑走に参加できる権利が得られたのですが、筆者はチャンスに恵まれず。遠くから滑走を見守りました。
■4kmはあっという間!滑走路からは航空機見放題
11時になり、いよいよ滑走路往復約4kmのランウェイウォークがスタートします。「位置について、用意スタート!」とピストルの合図で始まるのを予想していたのですが、始まりの合図はまさかの、消防車のウォーターキャノンでした!
……しかしながら、筆者はウォーターキャノンを見逃すという大失態を犯したのでした。11時の直前までC-2の列に並んでいたところ、うっかり11時が過ぎて気がついたらランウェイウォークがスタートしていたのです。
全員が一斉にスタートするわけでもなく、11時以降好きなタイミングで出発できるので、11時をまわっても周りに人が残っていたのでした。ウォーターキャノンを見逃したくない人は時間厳守でスタート地点にいましょう。
滑走路の両エンドには「17」「35」と書いてあります。スタートは「17」。これは方位を表していて南南東(170度)を向いてるのがランウェイ17です。ここを自分の足で踏みしめられるなんて不思議な感覚です。
滑走路を歩いていくと滑走路の灯火など普段は気が付かないものを間近で見ることができます。地上展示機やほかの入間基地配備の機体を滑走路から眺めるのはステキです。4kmという距離を不安に思うかもしれませんが、歩ききれなくても途中で棄権できます。数十m間隔で隊員さんが立っていてくれるので、何かあればサポートしてくれます。小さな子どもや赤ちゃん連れの方も、多く参加していました。
筆者は、航空機を眺めたり、他の参加者の方や隊員さんとお話したりしていると、あっという間に折り返し地点のランウェイ「35」に到着しました。
折り返しなのにゴールっぽい雰囲気のランウェイ「35」では、みんな写真を撮ったりジャンプをしてみたり、状況を堪能していました。そうこうするうちにイベントの終了時間が迫ってきてしまい、心配そうな隊員さんが参加者の後ろから見守りの態勢に入りました。
折り返してからの道は、向かって左手にハンガーや航空機がさらによく見えてテンションがあがります。またしても、あっという間に後半を歩ききりました。なお、特に「ゴール」という案内はなく、ヌルッと終了します。
■空あげは狭山茶塩味、お土産も忘れず
ランウェイウォークが終了すると、おなかがペコペコでした。気が付けばイベント終了まで残り30分ほど。参加者には「空あげ(空自基地名物のから揚げ)」とお土産が配られるので、急いでいただくことに。入間基地の「空あげ」は地元名産の狭山茶を使った抹茶塩で味付けしているのだとか。お土産はキャンプなどで使えそうな折りたためるタイプの入間基地特製クッションでした。
帰りにブースに寄ると、F-4EJ改戦闘機の装備品展示がやっていました。F-4の計器やヘッドアップディスプレイ、操縦かん、スロットルなどが本物と同じ配置にあり、シミュレーターのように操縦させてもらえます。隊員さんに「スロットルの重さはパイロットの好みによって変えられるんですよ」などとマニアックなお話も聞けました。
■倍率高いが行く価値ありあり!
9時に開始して14時ピッタリにイベントは終了。帰りももちろんエプロンから門まで送ってくれます(帰りは大型バスでした)。何万人も人が訪れる航空祭は、行って帰ってくるだけで体力を消耗しますが、1000人規模のランウェイウォークは人混みもなく、ゆったりして快適です。ベビーカーでも入場できるので、家族連れやお年寄りでも安心して参加できるのもポイントです。基地に入ってみたいけど、航空祭にはちょっと行けないという人は、ランウェイウォークに参加してみてはどうでしょうか?