スカイマークは、2023年9月19日(火)で就航25周年を迎えます。1996年に設立、初就航は1998年9月19日(土)の羽田発福岡行き“BC1便”で、当初は1日3往復を運航していました。その後、路線網を拡大し、現在では初就航路線である羽田/福岡線を1日12往復するなど、計24路線を運航中です。
2002年8月に、初の国際チャーター便となる羽田/ソウル(仁川)線を運航。2018年2月には、平昌冬季オリンピックに合わせてソウル(仁川)線も運航し、2019年3月から成田/サイパン線でもチャーター便を運航しました。サイパン線は11月に定期便へ格上げされ、2020年2月には定期便就航を前提に、成田/コロール(パラオ)線でチャーター便を運航していました。その後、新型コロナウイルス感染拡大により、唯一の国際定期便であるサイパン線は運休。コロール(パラオ)線の定期便化計画も白紙となりました。
◼️過去の就航路線
羽田〜旭川線、青森線、名古屋(中部)線、大阪(関西)線、徳島線、米子線、北九州線、熊本線、ソウル(仁川)線(チャーター便)、グアム線(チャーター便)成田〜新千歳線、旭川線、名古屋(中部)線、神戸線、米子線、福岡線、鹿児島線、那覇線、石垣線、グアム線(チャーター便)、パラオ・コロール線(チャーター便)、サイパン線
伊丹〜新千歳線、福岡線、新千歳〜旭川線
神戸〜米子線、那覇〜米子線、那覇〜北九州線
那覇〜石垣線、那覇〜宮古線など
◼️スカイマークが運航した7機の767
就航当時の運航機材は、ボーイング767-300ER型機。合計6機が活躍しました。初号機となった「機体記号:JA767A」は羽田空港への到着時、垂直尾翼のみが塗装され、胴体部分に「?」と描かれ、航空ファンの間で「どんな塗装なんだろう」と話題になりました。1998年9月19日の就航前には、衛星放送サービス「ディレクTV」の全面広告(特別塗装)機で登場、当時あまり前例のなかった全面広告機ということもあってこちらも話題に。他にも、「Microsoft」「YAHOO! JAPAN」「J-PHONE Sky」「USEN (有線放送サービス)」「ヤマト車検号 (カーコンビニ倶楽部)」の特別塗装機が運航されていました。また、1年弱の短期間ながら、ボーイング767-200型機も1機活躍しました。
客室仕様はさまざまで、上級席であるシグナスクラスと普通席2-4-2配列のものや、沖縄を拠点に就航を目指していたレキオス航空が受領予定であった、普通席2-3-2配列で全席個人用モニター付きの機体「JA767D (JA01LQ)」などがありました。
機体記号 | 運用期間 | 状況 | その他 - 抹消機は現在の「機体記号」と運航会社(備考) | JA767A | 1998/08 〜 2008/06 | 抹消 | 「VP-BLC」ロイヤル・フライト (抹消済み) |
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JA767B | 1998/10 〜 2008/08 | 抹消 | 「VP-BLG」ロイヤル・フライト (抹消済み) |
JA767C | 2002/03 〜 2008/01 | 抹消 | 「N477AX」 オムニエアインターナショナル |
JA767D | 2003/09 〜 2009/10 | 抹消 | 「B-220H」 SF エアラインズ (貨物機へ改修) |
JA767E | 2004/12 〜 2007/09 | 抹消 | 「CP-3017」ボリビアーナ航空 |
JA767F | 2005/03 〜 2009/04 | 抹消 | 「B-222D」 SF エアラインズ (貨物機へ改修) |
JA8255 | 2003/04 〜 2004/09 | 抹消 | 元ANA機、「N752AX」ABXエア (抹消済み) |
アメリカのオムニエアインターナショナルが運航する「N477AX (元JA767C)」は、横田基地や三沢基地、岩国基地などの在日米軍基地を中心に、現在でも“里帰り”で飛来。また、中国のSFエアラインが運航する貨物機へ改修された「B-220H (元JA767D)」と「B-222D (元JA767F)」も、成田空港や関西国際空港を中心に多数“里帰り”飛来しています。
◼️スカイマークが受領した36機の737-800
2005年から、現在の主力機であるボーイング737-800型機の導入が開始されました。合計36機を受領しましたが、2016年までに7機が退役して現在は29機が運航されています。客室仕様は全て統一されており、全席普通席で177席が設置。ただし、初号機である「JA737H」から10機目の「JA737U」の座席は、紺色で本革のアメリカ・ウェバー社製、かつ翼端のウィングレットが非装着の仕様です。11機目「JA737X」以降の座席は、クリーム色で合皮のドイツ・レカロ社製になっており、全機にウィングレットが装着されています。
機体記号 | 運用期間 | 状況 | その他 - 抹消機は現在の「機体記号」と運航会社(備考) | JA737H | 2005/12 〜 2013/12 | 抹消 | 「G-DRTU」 ジェット・ツー (ウィングレット装着済み) |
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JA737K | 2006/01 〜 2014/01 | 抹消 | 「HL8000」 ティーウェイ航空 |
JA737L | 2006/06 〜 2014/04 | 抹消 | 「B-223J」 中州航空 (貨物機へ改修/ウィングレット装着済み) |
JA737M | 2006/12 〜 2014/10 | 抹消 | 「HL8020」 チェジュ航空 (2022年12月退役) |
JA737N | 2007/08 〜 | 運用中 | |
JA737P | 2008/01 〜 2016/02 | 抹消 | 「TC-TJU」 コレンドン・エアラインズ (ウィングレット装着済み) |
JA737Q | 2008/06 〜 | 運用中 | |
JA737R | 2008/07 〜 | 運用中 | |
JA737T | 2009/03 〜 | 運用中 | |
JA737U | 2009/05 〜 | 運用中 | |
JA737X | 2009/11 〜 | 運用中 | |
JA737Y | 2009/12 〜 | 運用中 | |
JA737Z | 2010/06 〜 | 運用中 | |
JA73NA | 2010/08 〜 | 運用中 | |
JA73NB | 2010/09 〜 2014/11 | 抹消 | 「LV-KGN」 フライボンディ |
JA73NC | 2010/10 〜 | 運用中 | |
JA73ND | 2010/11 〜 | 運用中 | |
JA73NE | 2010/12 〜 | 運用中 | |
JA73NF | 2011/05 〜 | 運用中 | |
JA73NG | 2011/08 〜 | 運用中 | 特別塗装機 ピカチュウジェットBC2 |
JA73NH | 2011/10 〜 2015/01 | 抹消 | 「HL8034」 チェジュ航空 |
JA73NJ | 2011/11 〜 | 運用中 | |
JA73NK | 2012/01 〜 | 運用中 | |
JA73NL | 2012/02 〜 | 運用中 | |
JA73NM | 2012/02 〜 | 運用中 | |
JA73NN | 2012/03 〜 | 運用中 | |
JA73NP | 2012/05 〜 | 運用中 | |
JA73NQ | 2013/01 〜 | 運用中 | |
JA73NR | 2013/02 〜 | 運用中 | |
JA73NT | 2013/05 〜 | 運用中 | |
JA73NU | 2013/06 〜 | 運用中 | |
JA73NX | 2013/09 〜 | 運用中 | |
JA73NY | 2013/10 〜 | 運用中 | |
JA73AA | 2018/08 〜 | 運用中 | |
JA73AB | 2019/05 〜 | 運用中 | 特別塗装機 ピカチュウジェットBC1 |
JA73AC | 2019/06 〜 | 運用中 | “737-800” 最終製造機 |
ティーウェイ航空の「HL8000 (元JA737K)」、チェジュ航空の「HL8034 (元JA73NH)」は、今でも日本へ多く“里帰り”を果たしています。
【関連記事:世界で最後の737-800を運航するスカイマーク、アレも一番だった!】
特別塗装機は、「ワンピースジェット(計5機)」「ヤマトジェット」「タイガースジェット(1〜3代目)」「タカガールジェット(1〜2代目)」「下町ボブスレージェット」「星空ジェット」「B.LEAGUE JET」「ファイターズジェット」「ヴィッセルジェット」が登場。これまでは機体の一部にデカールを貼り付ける特別塗装機でしたが、現在活躍中の「ピカチュウジェットBC1」「ピカチュウジェットBC2」では、初めての全面塗装機となりました。また、ウィングレットにさまざまな絵柄を描いており、搭乗客や航空ファンを楽しませています。
◼️スカイマークとエアバス
国際線への本格進出のため、同社は2011年にエアバスA380-800型機を6機発注しました。続いて、エアバスA330-300型機を10機リースで導入することも発表。実際に、2014年2月に初号機「JA330A」を受領し、6月には羽田/福岡線へ就航しました。その後、羽田/新千歳線でも運航されA330運用は2路線に。機内は、271席の全てが国内他社のプレミアムエコノミークラスと同じ座席を使用した「グリーンシート」で、“空の常識を、塗りかえてみせよう。”をスローガンに、まさに国内線の常識を塗りかえました。その後、合計5機を受領したところで経営悪化によりA330の運航を停止。5機全てがリース会社へ返却されました。
A380は、成田/ニューヨーク(JFK)線への就航を目指し、すでに2機の製造が進められていました。垂直尾翼やエンジンカウルがスカイマークカラーに塗装され、初飛行を終えたタイミングで全機の発注をキャンセル。500席を超える座席を設置できる同機ですが、こちらも全席ビジネスクラスで運航することを計画していました。
機体記号 | 運用期間 | 状況 | その他 - 現在の「機体記号」と運航会社 | JA380A | なし | 未受領 | 「A6-EVB」エミレーツ航空 |
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JA380B | なし | 未受領 | 「A6-EVA」エミレーツ航空 |
◼️スカイマークが受領した5機のA330-300
機体記号 | 運用期間 | 状況 | その他 - 現在の「機体記号」と運航会社(備考) | JA330A | 2014/02 〜 2015/03 | 抹消 | 「TC-LOA」ターキッシュ・エアラインズ |
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JA330B | 2014/02 〜 2015/03 | 抹消 | 「TC-LOB」ターキッシュ・エアラインズ |
JA330D | 2014/07 〜 2015/03 | 抹消 | 「TC-LOC」ターキッシュ・エアラインズ |
JA330E | 2014/09 〜 2015/03 | 抹消 | 「TC-LOD」ターキッシュ・エアラインズ |
JA330F | 2014/11 〜 2015/03 | 抹消 | 「EC-MHL」エア・ヨーロッパ(抹消済み) |
他にも、すでに塗装が終わり、引き渡し目前であった6機目の「JA330G」も存在していました。同機が日本にやってくることは無く、現在はターキッシュ・エアラインズで「TC-LOE」として活躍しています。
全機が運航停止となってから、「JA330A」から「JA330E」の4機はアメリカ籍に。リース会社の異なる「JA330F」はオーストリア籍となり、全機が2015年4月までに日本を去りました。
定期便として運航された羽田空港、福岡空港、新千歳空港。訓練飛行で飛来した中部国際空港、関西国際空港、神戸空港で、“わずか1年弱”ながらその勇姿を楽しませてもらいました。
◼️番外編
これまで紹介した旅客機以外にも、同社では3機の小型機を社有機として保有していました。パイロット訓練や社用の移動など、様々な用途に使用されていたと思われます。
規制緩和後、初めて誕生した新興航空会社として、これまで世間を驚かせるサービスなどを展開してきたスカイマーク。就航25周年の節目を迎え、2025年度からのボーイング737MAXシリーズ導入など、今後の更なる成長や展開が期待されます。