2023年に日本全国で目撃されたミリタリー機のスペシャルマーキング(特別塗装)をまとめて紹介する本記事。コロナ禍では爆音浴(戦闘機などのエンジン音を聴いてワクワクすること)を抑制されていた航空機ファンへのご褒美かのように、各国との共同訓練で珍しい機体が飛来したり、航空祭でスぺマ機が登場したりしました。
まずは「ミリタリー特別塗装機 年鑑(前編)」として、2023年上期に登場したスぺマ機をまとめて紹介します。
■日本初飛来のスホーイ30MKIを出迎えたF-2スぺマ機 「ヴィーア・ガーディアン23」にて
2023年1月、日印共同訓練「ヴィーア・ガーディアン23」のために日本にやってきたのは、インド空軍のSu-30MKIフランカーH戦闘機。このロシア製の戦闘機が公式に日本に降り立つのは史上初です。2022年末に発表があるや“フランカーが日本にくる!“と大いに盛り上がり、年明け早々、百里基地は多くの航空機ファンが集まりました。
この時フランカーを出迎えたのが、訓練に参加した3部隊のマーク「武者(空自の第3飛行隊)」「虎(インド空軍の第220飛行隊)」「ドクロ(空自のアグレッサー部隊)」をあしらったF-2A戦闘機「機体記号:63-8537」とF-2B「23-8111」。F-2Bには、インド空軍の西部航空コマンド司令官パンカジ・モーハン・シンハ空軍中将を後席に乗せて飛行したのでした(操縦は航空自衛隊のパイロット)。
■韓国からきた米軍のF-16Cファイティング・ファルコンスぺマ機
4月22日・23日(土・日)の2日間、沖縄県のアメリカ空軍嘉手納基地で2014年以来9年ぶりに開催された「アメリカフェスト 2023」。ここで登場した特別塗装機はアメリカ空軍のF-16Cファイティング・ファルコン戦闘機です。韓国から飛来してきた機体でした。
■東日本大震災から帰還10周年、基地復帰記念マークを施したT-4ブルーインパルス
2011年に発生した東日本大震災の影響で、一時的に芦屋基地(福岡県)を拠点にしていたブルーインパルスが、母基地である松島基地に帰還(2013年3月)して、2023年で10周年を迎えました。現在、ブルーインパルスの機体には、エアインテーク付近に“松島基地復帰10周年”記念のマークが施されています(※2023年12月現在)。
■60年前の米軍アクロバットチーム「フォー・ホースメン」を再現したC-130のスぺマ機
米軍横田基地で7月15日ごろ目撃されたのは、特殊塗装を施したC-130J-30「機体記号:08-5705」。リトルロック空軍基地(アーカンソー州)第19空輸航空団第61空輸飛行隊に所属する機体で、1957年~1960年に活動したC-130のアクロバットチーム「フォー・ホースメン」に敬意を表し、当時の塗装を再現したのだそうです。
2023年「ミリタリー特別塗装機 年鑑」前編は以上です。年明け一発目に来日したフランカーの特大インパクトで幕をあけた2023年。後半では、イタリア空軍、オーストラリア空軍、フランス空軍との共同訓練時に現れた特別なF-15のスぺマ機が登場します。