2023年に日本全国で目撃されたミリタリー機のスペシャルマーキング(特別塗装)をまとめて紹介する本記事後編。
<前編:【2023年 ミリタリー特別塗装機 年鑑】武者・虎・ドクロのF-2、60年前のC-130を再現した米軍スぺマ機など >
日印共同訓練のためインド空軍のSu-30MKIフランカーH戦闘機が日本にくる!という一大イベントで2023年の幕をあけました。これにあわせて、訓練に参加する3つの部隊マークをあしらったF-2戦闘機の特別塗装機が登場。さらに、7月にはフランス空軍、8月にはイタリア空軍、オーストラリア空軍と共同訓練を行い、それぞれ訓練を盛り上げる特別塗装機が現れるなど、2023年後半もスぺマ機は大盛り上がりでした。
■上空でフランスのラファールを出迎えた新田原のF-15
7月26日夕方、航空自衛隊新田原基地(宮崎県)にフランス航空宇宙軍のラファール戦闘機などが、同基地を拠点に実施する共同訓練のため到着しました。今回の共同訓練を記念し、航空自衛隊はF-15J戦闘機2機「機体記号:52-8856」「32-8821」に特別塗装を施し、機体の両側に日本とフランスの国旗をモチーフとしたデザインが描きました。この特別なF-15J 2機が、上空でフランス航空宇宙軍機を出迎えるという粋な演出もありました。
■千歳市空港開港97周年記念マークを施したF-15&UH-60J
7月30日(日)北海道千歳基地航空祭で公開されたのは、特別記念塗装を施したF-15戦闘機「機体記号:22-8806」とUH-60J救難ヘリコプター「機体記号:78-4584」。記念塗装には、千歳市の空港開港97周年を記念するマークなどがデザインされました。
■台風で来日延期になったイタリア空軍を気合十分で出迎える小松F-15
2023年8月2日に小松基地に展開予定だったイタリア空軍は、台風の影響により、展開がしばし見送りに。小松基地は、それをうけ「日伊共同訓練に対する第6航空団の意気込みをイタリア空軍及びみなさんにお伝えする」と、訓練のために用意したF-15闘機の特別塗装機963号機「機体記号:72-8963」をX(旧Twitter)で公開。
左主翼にイタリア、右主翼に日本の“国旗の色をイメージした流線”を描き、左垂直尾翼には“イタリア空軍設立100周年のロゴ”を、左タンクには“モットー”を塗装したとしています。機体だけでなく車輪止めまで共同訓練仕様で、意気込みをアピールしました。■日豪共同訓練でカンガルー×武士道”の特別塗装機登場「武士道ガーディアン23」
2023年8月23日から実施した「日豪共同訓練(武士道ガーディアン23)」のための特別塗装機は、8月30日に初公開されました。F-15戦闘機897号機「機体記号:82-8897」の塗装は小松基地の第303飛行隊が担当。「オーストラリアのナショナルカラーである緑色と金色を基調とし、左主翼にオーストラリア国旗を、右主翼に日本の国旗を配置。左垂直尾翼にはカンガルーを、右垂直尾翼には訓練名称の”武士道Gurdian”を描いた」のだそうです。機体だけでなく車輪止めまで塗装しています。
■“最強シーサー”「美ら島エアーフェスタ2023」F-15特別塗装機
2023年12月10日に開催した航空自衛隊那覇基地の「美ら島エアーフェスタ2023」では、垂直尾翼にシーサーを描いたF-15戦闘機特別塗装機945 号機「機体記号:42-8945」が地上展示機として登場。また、政府専用機の前で那覇基地エイサー部による演舞が行われるなど、沖縄らしさが感じられるイベントでした。■第301飛行隊50周年記念塗装のF-35Aが百里に
2023年12月17日、今年最後の航空祭である百里基地航空祭(茨城県小美玉市)に、三沢基地所属のF-35A戦闘機が地上展示機として参加。第301飛行隊の50周年記念塗装を施した701号機「機体記号:69-8701」でした。尾翼に部隊マークの「カエル」が大きくデザインされています。カエルには「無事に帰る」という意味もこめられているそうです。2023年に特徴的だったのは、やはり夏のフランス、イタリア、オーストラリアとの共同訓練でF-15のスぺマ機が登場したことでしょうか。3種いずれも相手国の“国旗“がモチーフになっていて、相手をもてなす日本人の気遣いや歓迎の意がよく表れていたように感じます。
共同訓練以外でも、2023年はたくさんの特別塗装機が見られました。今年はどこに、どんなデザインの機体が登場するでしょうか?今から楽しみですね。