「くっそー!12cm負けた」嬉しそうなC-1輸送機、退役間近に小中高生60人相手に名勝負

「くっそー!12cm負けた」嬉しそうなC-1輸送機、退役間近に小中高生60人相手に名勝負

ニュース画像 1枚目:入間基地ランウェイウォーク2024 C-1vs小中高生の綱引き大会
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入間基地ランウェイウォーク2024 C-1vs小中高生の綱引き大会

2024年度をもって全機退役する予定の航空自衛隊C-1輸送機が、2024年6月1日(土)に開催された「入間基地ランウェイウォーク2024」の“航空機との綱引き”イベントに登場しました。

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ニュース画像 1枚目:あと何回C-1に会えるかな
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あと何回C-1に会えるかな

今年は航空自衛隊創設70周年を記念し、初の一般開放がなされた入間基地ランウェイウォーク。そのメインイベントのひとつがC-1との綱引きでした。1973年の運用開始から50年という長きに渡り、国産輸送機として航空自衛隊の輸送部隊の主力を担いつつ、災害派遣などでも活動してきたC-1。2024年6月現在運用中の機体がすでに数機程度(派生型などあわせて)で、いよいよ「あと何回C-1が見られるのか……」という段階に入ってきました。

飛ぶ姿が見られる絶好の機会といえば、航空祭です。一昨年の「入間基地航空祭 2022」では、同基地所属C-1輸送機029号機(機体番号:98-1029)が、この日の展示飛行をもってラストフライトを迎えていました。1979年から約43年間、災害活動などの任務にあたっていたという029号機。ラストフライト後に放水アーチで迎えられた最後の雄姿に、会場からは感謝と涙の拍手が送られたのでした。

ニュース画像 2枚目:C-1輸送機029号機 (機体記号:98-1029)ラストフライト、2022年入間基地航空祭にて
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C-1輸送機029号機 (機体記号:98-1029)ラストフライト、2022年入間基地航空祭にて
ニュース画像 3枚目:2022年入間基地航空祭にて放水アーチをくぐるC-1輸送機029号機 (機体記号:98-1029)
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2022年入間基地航空祭にて放水アーチをくぐるC-1輸送機029号機 (機体記号:98-1029)

ついつい感傷的になってしまいましたが、話を戻して「入間基地ランウェイウォーク2024」でのC-1の活躍をお伝えしましょう。

小中高生との綱引きに臨むC-1は002号機(機体記号:28-1002)。簡単にスペックを紹介すると、全長29m、全幅30.6m、全高9.99m。重量23.3t(乗員、燃料などを含まず機体のみ)。輸送機としては中型クラスですが、目の前にするとその巨大さに圧倒されます。綱引きに参加するのは小学生から高校生までの60名ですが、参加者の様子を見るかぎり、どうも小中学生の姿が目立つようです。

果たして、ベテラン輸送機C-1を子どもだけで動かすことができるのでしょうか。

ニュース画像 4枚目:全長29m、全幅30.6m、全高9.99m……これでも輸送機では中型です
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全長29m、全幅30.6m、全高9.99m……これでも輸送機では中型です
ニュース画像 5枚目:がんばれちびっ子たち!
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がんばれちびっ子たち!
ニュース画像 6枚目:コックピットの天井ドア(?)をあけて撮影
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コックピットの天井ドア(?)をあけて撮影
ニュース画像 7枚目:コックピットではブレーキなどを操作する整備員の姿が
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コックピットではブレーキなどを操作する整備員の姿が

笛の合図とともに綱引きがスタートしました。案外簡単に動くのか、ビクともしないのか、まったく予想がつかなかったのですが、ふたを開けてみると結果は後者でした。

小中高生60名が本気で引っ張ったとて、微動だにしないC-1。コックピットで機体の操作(動き出した際のブレーキなど)を担当していた整備員さんによると「一回タイヤが回りだせばあとはスムーズ」だそうなのですが、最初の1回転がなかなか動きません。大人心(?)に「手加減してあげてよC-1!」などど思わずにはいられませんでしたが、C-1にも空自の輸送部隊で50年張ってきたプライドがあるのでしょう。

体感にして、5~10分経過したころでしょうか。やっとのことで少し機体が動いたことが確認され、拍手で綱引きが終了しました。動いたその距離「12cm」だったとか。参加者はあきらめずに最後までよく頑張ったと思います。子どもたちに囲まれたC-1は、動かされてなんだか少し嬉しそうでした。

ニュース画像 8枚目:「まだまだ若いモンには負けんぞ」という顔に見えます
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「まだまだ若いモンには負けんぞ」という顔に見えます

本稿冒頭で、2022年の入間基地航空祭でC-1がラストフライトを実施したことをお伝えしましたが、今年2024年の同基地航空祭は11月3日(日)に決定しています。現時点では展示飛行機などの詳細は発表されていませんが、入間基地に所属するC-1なので、展示飛行などで登場する可能性があるかもしれません。

ちなみに、残念ながら中止になってしまった昨年2023年の航空祭では、オープニングフライトでEC-1電子戦訓練機(機体記号:78-1021)が登場するはずだったのです。ファンとしては今年こそ!のリベンジを願わずにいられません。

ニュース画像 9枚目:EC-1電子戦訓練機(機体記号:78-1021)。2023年入間基地航空祭でオープニングフライトに登場するはず(激レア)でしたが残念ながら航空祭が中止に。今年のリベンジに期待!
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EC-1電子戦訓練機(機体記号:78-1021)。2023年入間基地航空祭でオープニングフライトに登場するはず(激レア)でしたが残念ながら航空祭が中止に。今年のリベンジに期待!
ニュース画像 10枚目:尾翼にはヘルメットを被ったワタリガラスの部隊マークが!
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尾翼にはヘルメットを被ったワタリガラスの部隊マークが!

次回入間基地で開催するイベントは、花火の打ち上げなどが行われる「入間基地納涼祭」が7月24日(水)、そして11月3日(日)が航空祭。航空祭では「ブルーインパルス」の展示飛行も予定されています。入間基地ならではのイベントにぜひ参加してみてください。

FlyTeamでは、各地の航空祭などのイベント情報を随時更新しています。

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