防衛省は2012年9月11日、2012年6月13日にフロリダ州で墜落したアメリカ空軍のCV-22オスプレイの事故原因を、日本側で分析評価した報告書を発表しました。
これは防衛省がアメリカに派遣した調査団が、8月30日にアメリカから提出されたフロリダの事故に関する事故報告書を分析評価したものです。
事故は2機で編隊低空飛行しているときに、旋回して2番機が1番機の航跡を横切り、2番機の左プロップローターが1番機の後流に入ってしまい、揚力を失い急激にロールして墜落しました。
報告書では、事故前の6週間で一度しか飛行訓練をしていない副操縦士が、1番機との相対位置を誤認してフライト・マニュアルで禁じられている領域に入り込み、後方乱流から離隔させなかったことを指摘。機長も同様に誤認して、副操縦士の操縦を修正せず、1番機と事故機の間の意思の疎通が不充分、などパイロットらのミスを事故の要因として指摘。機体の欠陥や不備は認められず、先行機の後方乱流による事故はV-22特有のものではなく、航空機一般に共通するものとしています。
森本防衛大臣は、この報告を携えて仲井眞沖縄県知事、普天間基地を抱える佐喜真宜野湾市長を訪ねて説明しましたが、新たに9月6日にノースカロライナ州ジャクソンビルでMV-22が予防着陸したこともあり、理解を得るにはほど遠い模様です。
防衛省のウェブサイトには報告書と概要、事故の状況、アメリカ空軍による事故調査報告書の原文と仮訳などの詳細な資料が公開されています。