運輸安全委員会、中部地方整備局のベル412EPの事故で報告書まとめる

運輸安全委員会、中部地方整備局のベル412EPの事故で報告書まとめる

運輸安全委員会は2013年6月28日、中日本航空が受託運航する国土交通省中部地方整備局のベル412EP、機体記号(レジ)「JA6817」が2012年6月29日、ハードランディングによる航空事故について報告書をまとめました。

長島ダム上流場外離着陸場に着陸する際、ハードランディングにより機長が重傷、同乗者7名のうち1名が軽傷を負ったもの。機体は小破したものの、火災は発生していません。

ハードランディングは、機体が大きな降下率の中、前進対気速度を減少させ続けたため、吹き下ろし流がメインローターの外周で上面に回り込む大きな渦となるボルテックス・リング・ステートの状態が発生。コレクティブピッチレバーを引き上げたものの、揚力を発生できず、降下率を減少させることができなかったためととしています。

また、報告書では中部地方整備局のヘリポート等担当職員が、ヘリコプターの離着陸に先だち、ヘリポートの範囲の明示、風向指示器の設置など準備するはずでしたが、なされていなかったことを指摘。

こうした点も受け、事故発生後、中日本航空では再発防止策として、場外離着陸場の更新手続きを行う場合、従前の申請内容と現状の相違点を確実に把握するように担当者に徹底、全国の事業所を巡回し、操縦士を対象に安全教育を実施しました。

また、中部地方整備局は「ヘリコプター使用計画書」に、新たに「場外ヘリポート使用前チェック票」を添付して中部地整防災課に提出するよう変更を実施。回転翼航空機を使用する中部地方整備局、運航担当課と運航受託者で事前に確認できるようにしています。

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