X1G1B高揚力研究機とUF-XS実験飛行艇 重要航空遺産に認定

X1G1B高揚力研究機とUF-XS実験飛行艇 重要航空遺産に認定

日本航空協会は重要航空遺産に、かかみがはら航空宇宙科学博物館に保管、展示されているX1G1B高揚力研究機、UF-XS実験飛行艇を2件を2014年3月27日に認定しました。重要航空遺産は、歴史、文化的に価値が高い航空遺産を認定しているもので、YS-11輸送機量産初号機のJA8610、九一式戦闘機などが認定されています。

X1G1高揚力研究機は、当時の防衛庁技術研究所が、サーブ91サフィール小型練習機をベースに、新設計の主翼を装備し、1957(昭和32)年から飛行試験を開始した機体です。1962(昭和37)年に研究機の役割を終え、連絡機として使用されました。この実験、研究成果からC-1輸送機、PS-1飛行艇、MU-2ビジネス機へ活用された航空技術開発への貢献度が評価されました。

UF-XS実験飛行艇は、防衛庁がグラマンUF-1アルバトロス飛行艇をベースに、UF-XS実験飛行艇を製作、1962(昭和37)年に初飛行しました。1964(昭和39)年まで実験飛行を行い、現在では海上自衛隊のUS-1、US-2飛行艇の礎を築いた機体です。UF-XS実験飛行艇はPS-1飛行艇開発のために、製作された1機のみの希少な機体で、見学のための改造が行われましたが、その後の適切な修復・復元処置で使用当時の状態を取り戻していることから、認定されました。

UF-XSでは日本で初めてコンピューター制御による飛行を行った機体でもあります。特に離着水時は通常の飛行機の半分ほどの低速で、機体の安定性、操縦性が不足する課題を解決するため、コンピューターによる昇降舵、方向舵、補助翼の自動操舵を実現させ、パイロットの操縦を補助しています。

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