不意に発生する機体動揺事故、傾向と対策 運輸安全委員会が紹介

不意に発生する機体動揺事故、傾向と対策 運輸安全委員会が紹介

運輸安全委員会は2014年8月27日に発行した「運輸安全委員会ダイジェスト」で機体動揺に伴う事故の防止に向けた調査を行っています。2014年7月に公表したアシアナ航空の機体動揺の報告書のまとめにあたり、乗客、客室乗務員が負傷した機体動揺事故を調べたものです。

調査では2001年10月から2014年6月までに発生した245件のうち、大型機による航空事故40件のうち、19件と半数近くが機体動揺事故が占めていました。死亡者は発生していませんが、機体動揺事故のうち、負傷者が発生する割合が高く、1件で40名の負傷者が発生する事例もありました。

また、発生場所は全国に分布していますが、北海道と九州では0件で、東北、関東、北陸東海地方などで散発していますが、四国、中国地方にやや多く、アシアナ航空の機体動揺事故が発生した島根県上空では3件が発生していました。

負傷した方でシートベルトをしている方も含まれますが、シートベルト着用者で頭部、頸椎への負傷はなく、激しい横揺れでシートベルト着用でも重傷という事例がありました。シートベルトを着用していない場合は、身体が中に浮いて天井に頭部をぶつけるといったものから、熱いコーヒーが降りかかると行ったものがあります。

また、発生月別では7月が4件と多くなっていますが、他の月も1件、2件が発生、発生時間帯は15時が最も多い3件ですが、12時と18時を除き8時から21時まで1件、2件と発生しています。

運輸安全委員会では運航、気象のプロでも予測が難しい乱気流が突然発生することがあるとし、運航者だけでなく、利用者も含め最善の備えをすることが、未然防止、被害軽減につながるとしています。ダイジェストでは、ノースウェスト航空、全日空(ANA)、ユナイテッド航空、アシアナ航空の機体動揺事故4事例をあげて、通常の事故調査報告書より分かりやすく対処法などを紹介しています。

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