エアバスは2014年10月15日、ヨーロッパ航空安全庁(EASA)からA350-900について、ETOPS-370を取得したと発表しました。ETOPSはエンジン2基を搭載した機体で、1基が停止した場合に残る1基のエンジンでフライトし、安全に最寄りの空港に着陸するための時間制限を示しています。ETOPS-370により、最も最も近い空港まで1基のエンジンで飛行する時間が370分の航路を飛行でき、洋上飛行でより効率的な航路を選択する事ができます。
A350の基本仕様はETOPS-180ですが、個別の航空会社に応じ、ETOPS-300とETOPS-370を取得できる規定が設けられます。ETOPS-370は、最も近い離陸できる空港まで2,500海里、4,630キロメートル離れて飛行する事が可能になります。
エアバスではこのETOPS-370により、オーストラリア、南アフリカと南アメリカ間をフライトする直行便路線に大きなメリットがあるとしています。また、ETOPS-300は東南アジアとアメリカ間、アメリカと大洋州間の路線でメリットがあります。これにより、直線的な航路を選択し、燃費効率よく運航する事が可能です。
エアバスはA350の運航開始を前に、ETOPSの長時間の認証を獲得できたことをアピールするとともに、効率的で信頼性が高く、長距離路線に投入する機種として適しているとしています。
なお、アメリカ連邦航空局(FAA)からもETOPSの認可がまもなく取得できる見込みとしています。