東京都は2015年3月6日、「広域交通ネットワーク計画の中間まとめ」を発表し、JR東日本が発表した羽田アクセス線などを5路線について、整備効果が高いとしました。今後は国土交通省の交通政策審議会で、次期答申に向け、都は意見の反映をめざします。
5路線は東京8号線(有楽町線)の豊洲から住吉間の延伸、東京12号線(大江戸線)の光が丘から大泉学園町間の延伸、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎と町田の南北両方向での延伸、JR東日本の羽田アクセス線の整備です。
羽田アクセス線は田町駅付近から貨物線を利用し、羽田空港の対岸にある車両基地付近から地下に潜る路線を設ける計画です。事業スキームについて関係機関の調整、ネットワークの効果を最大限に活用できる計画を検討する必要があると指摘されています。
羽田空港へのアクセスでは、新空港線「蒲蒲線」も話題になっていますが、関係機関の検討状況や羽田空港の機能強化に向けた取組等を踏まえ、「引き続き検討を行う」とされ、羽田アクセス線よりは優先度が低いものの、状況の変化などで対応される位置づけとなっています。
東京都は、「高齢者を含めた誰もが快適に移動できる都市づくり」の目標達成に混雑率の低下、乗換回数の減少、「都市の活力の維持向上」の目標には空港アクセスの強化、拠点間移動の時間短縮など、「災害に強く、環境にやさしい都市づくり」の目標には防災拠点へ直通する地域の増加、CO2排出量の削減などなどの指標を設け、判断しました。
■運輸政策審議会答申 第18号(平成12年)の東京都周辺路線一覧
＜A1・・・2015年までに開業が適当な路線＞
東急東横線複々線化 (多摩川～日吉)
東急目黒線改良 (目黒～田園調布)
都営地下鉄三田線 (目黒～三田)
東京メトロ南北線 (目黒～溜池山王)・埼玉高速鉄道線(赤羽岩淵～浦和美園)
西武池袋線複々線化 (石神井公園～練馬)
小田急小田原線複々線化 (東北沢～喜多見)
東京メトロ半蔵門線 (水天宮前～押上)
東急大井町線改良 (大井町～二子玉川)
東急田園都市線複々線化 (二子玉川～溝の口)
東武スカイツリーライン複々線化 (とうきょうスカイツリー(押上)～曳舟)
都営地下鉄大江戸線 (都庁前～新宿)
東京メトロ副都心線 (池袋～渋谷)
りんかい線 (東京テレポート～大崎)
JR上野東京ライン (上野～東京)
つくばエクスプレス (秋葉原～つくば)
東京モノレール羽田空港線 (羽田空港第1ビル～羽田空港第2ビル)
ゆりかもめ (有明～豊洲)
日暮里・舎人ライナー (日暮里～見沼代親水公園)
＜A2・・・2015年までにに整備着手が適当な路線＞
東京1号線東京駅接着
東京8号線延伸 (豊洲～住吉)
東京8号線延伸 (押上～野田市)
東京9号線複々線化 (和泉多摩川～新百合ヶ丘)
東京11号線延伸 (押上～松戸)
東京12号線延伸 (光が丘～大泉学園町)
新空港線「蒲蒲線」
JR中央線複々線化
JR京葉線延伸
JR総武線・京葉線接続新線
ゆりかもめ延伸
多摩都市モノレール延伸 (箱根ヶ崎方面)
＜B・・・今後整備について検討すべき路線＞
東京9号線延伸 (唐木田～横浜線・相模線方面)
東京10号線複々線化 (調布～笹塚)
東京12号線延伸 (大泉学園町～武蔵野線方面)
区部周辺部環状公共交通
羽田空港アクセス新線
つくばエクスプレス延伸
東海道貨物支線貨客併用化
多摩都市モノレール延伸 (町田方面)
多摩都市モノレール延伸 (八王子方面)