ルフトハンザ・テクニーク、ノヴァスペースに新「Zero-G」を引き渡し

ルフトハンザ・テクニーク、ノヴァスペースに新「Zero-G」を引き渡し

ニュース画像 1枚目:引退したA300B2の「F-BUAD」
© German Aerospace Center (DLR)
引退したA300B2の「F-BUAD」

ルフトハンザ・テクニークは、2015年3月20日、フランス国立宇宙センター傘下に設立されたSA・ノヴァスペース保有の「Zero-G」を引き渡したと発表しました。SA・ノヴァスペースは2015年5月から、ボルドー空港を拠点にこの航空機を使用します。

ドイツ空軍で「10+21」として政府専用機のVIP仕様から、マイクロ・グラビティー(微重力)の仮想宇宙状態を客室に再現できる客室に改装する「ZERO-G」仕様へ変更したものです。新しい機体記号(レジ)は「F-WNOV」です。「F-BUAD」のA300B2から機材更新したものです。

ルフトハンザ・テクニークは航空機の構造部について、まず工場出荷時の状態に戻すおよそ1300点の変更を行いました。その後、客室の改装を行い、仮想宇宙状態を再現する20メートル長の「テスト・エリア」を設け、試験時の仕様として追加で強力な光源の導入などの改修を施しました。「テスト・エリア」では、将来の宇宙飛行士が初めて無重力を体験するスペースとなるほか、科学的な各種の調査も行われます。

SA・ノヴァスペースは、ドイツ航空宇宙センター、欧州宇宙機関と共同で5月から初めてとなる共同フライト・キャンペーンを展開し、無重力状態で生物学的、物理的、医学の実験も実施する予定で、ドイツ航空宇宙センターもこの改修を歓迎しています。

ルフトハンザ・テクニークでは、今回の改修について特に大きな改修を加えている構造部分でヨーロッパ航空安全庁(EASA)の認可を得ることが大きな挑戦だったとし、ノヴァスペースと同社の技術部門が密接に連携してプロジェクトを進めたとしています。

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