アメリカ海軍の無人艦載実証機(UCAS-D)のX-47Bですが、近日中に実施される自律空中給油(AAR)試験が完了次第に博物館行きか、ボーンヤード(墓場)行きになるかもしれません。USNI Newsが海軍航空システム軍団(NAVAIR)幹部の発言として、2015年4月14日に報じています。
X-47Bは海軍の無人艦載偵察攻撃機(UCLASS)計画の実験機としてノースロップ・グラマンが製作した機体で、「ソルテイドッグ501」と「ソルティドッグ502」の2機があります。2013年7月10日には空母USSジョージH.W.ブッシュ(CVN-77)で、史上初の無人拘束着艦に成功しました。
アメリカ海軍は、「2020年代後半の空母艦上はF-35CとEA-18G、そしてUCLASSになるだろう」と期待のプロジェクトでした。しかし、ここにきて風向きが変わったようで、海軍は陸上からの長距離偵察無人機(UAV)に関心が移り、空中給油も必要な機能ではないとしています。
もちろん、開発は継続すべきとの意見もありますが、莫大な予算を割く余裕がありません。これまでも軍の方針転換で、試作まで進みながら量産されなかった機種は山ほどあります。X-47Bも無人機万能を信じた時代のあだ花になるのかもしれません。