運輸安全委員会、2014年発生の新日本ヘリつり下げ物資落下事故で報告書

運輸安全委員会、2014年発生の新日本ヘリつり下げ物資落下事故で報告書

運輸安全委員会は2015年6月25日(木)、新日本ヘリコプターのアエロスパシアルAS332L1、機体番号(レジ)「JA6741」で2014年10月9日(木)に発生した、つり下げ輸送中における物件の落下事故について、調査結果を発表しました。

この「JA6741」では、2014年10月9日(木)、長野県小諸市の高峰高原場外離着陸場から浅間山火山館に物資をつり下げて輸送していた際、11時38分、物資の一部である建物のドア部分が落下する重大インシデント発生しました。

調査結果では、飛行に伴う気流及び風圧の影響により、つり下げ輸送中の物資であるトイレ用建物のドアが開放したため、ドアの取付け部が破断してドアが落下したものと推定されるとしています。ドアが落下したことについては、ロープによる固定又はネットによる保護等が行われなかったことが関与しているとしています。

報告書では、機長、搭乗者、地上作業者により、全てのドアと窓の施錠を行うことで十分と判断されていた可能性があり、輸送物資にロープによる固定、ネットによる保護などが行われていれば、ドア落下を防止できたと推定される、と指摘しています。ただし、同社は開口部を有する建物の輸送の経験がなく、開口部による気流や風圧の影響を適切に想定することが困難であったものと考えられるともしています。

新日本ヘリコプターはこの重大インシデント発生後、開口部を有する特殊な形状、強度の物件を輸送する場合、必要に応じてネットやロープなどで落下防止を図る再発防止策を定めています。

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