陸上自衛隊は、2015年6月26日、事故により飛行停止措置を取っていたOH-1とOH-6D両観測ヘリコプターについて、事故原因が判明したため対策が完了次第飛行を再開すると発表しました。
OH-1の事故は、2015年2月17日、和歌山県白浜沖で緊急操作訓練のため、エンジン1基をアイドルにしたところ、もう1基のエンジンが破損して海上に不時着水したものです。機体は水没したものの、乗員2名は無事でした。
事故原因は、エンジンの高圧タービン・ブレードが疲労破損し、乗員がアイドル状態のエンジン出力を回復できなかった2つと断定しています。対策として、エンジンの分解検査と、シミュレーター等を使用しての緊急事態対応能力を向上させるとしています。
一方のOH-6の事故は、2015年4月6日、整備試験飛行中の機体がオートローテーションの試験を実施したところ、出力が回復せずに仙台市宮城野区の乾田に不時着したものです。乗員2名は無事でした。
事故原因は、燃料制御機器の一時的な不具合によるもので、不時着時の姿勢が後傾していたため機体の破損が大きくなりました。対策は燃料制御機器の交換と、整備試験飛行のオートローテーションは陸自施設内で行うこと、操作上の対策を検討するとしています。
これにより、陸上自衛隊の「目」となる観測ヘリ2機種の飛行停止が、しばらくぶりに解かれることになります。